01
「さーてさてさて半田くんに問題です!」
「は?」
俺達は……っつっても俺と桜宮だけど、まあ俺達は今なにをしているかというと絶賛俺の家でゲーム中
あれから俺達は更に仲も深まり一緒に居ることが多くなった。趣味が合うし話も大分弾むしで互いに気を許しあう感じ。
俺も免疫がついたのか、最初みたいにそんなにドキドキすることもあまりない。別に好きじゃなくなったとかそういうんじゃなくて慣れたみたいな
「じゃじゃん!さて今日は何の日でしょうか!」
「七夕だろ」
「なーんだ知ってたんだ、なんか中途半端」
こいつは何が言いたいんだ……。
そんな俺をよそに目の前の女は鞄をガサゴソと漁ると、何かを取り出した
「テレレレッテレー!七夕セットー!」
お茶の間お馴染みの某猫型ロボットの真似(本人はそのつもりだろう)をしながら取り出したのは七夕セット。何種類かの短冊が入った物だ。
「まあね、七夕って事でね、短冊にお願い事を書きましょう!」
「書いても笹なかったら意味なくね?」
「気分だけでもいいじゃん!」
桜宮らしいっちゃらしいけどな。フッと微笑むと桜宮に渡されたペンで短冊に何を書こうか考える。
なんかこういうのって唐突に言われると思い付かないよな
当の本人は既に考えていたのかスラスラと書き進める。腕でガードされてるから内容は見えないけど。
「半田何かくのー」
「ないしょ」
「ケチ!」と足を蹴られた。正直初めて会った時とは印象は全然違ったけど、そんな桜宮を愛おしく思う。こんなんでもすげぇ可愛いと思うし、俺は相当末期
まだ知り合って間もないけど、一緒にいて分かる事が沢山あった。
まず笑顔が可愛い。照れると指をいじる。嘘をついてる時は目を逸らす。結構危なっかしい。
俺はまだ彼氏でもない、ただの友達だけど桜宮の側にいてやりたい、守ってやりたいと思った。
そんな事を考えながら短冊にペンを走らせた。
「ねえねえ半田何書いたの!」
「教えないって。そんな桜宮こそ何書いたのか見せろよ!」
「だめー!絶対だめ!」
「お前もケチだな」
「うっさい」
ああ、もうすぐ夏も本番が始まる。
(俺の初恋が叶いますように)
(私の初恋が叶いますように)
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