01





俺の名前は風丸一郎太。
元陸上部の今は正式にサッカー部の一員だ。

なんてこんな自己紹介はいらないな

今日は久しぶりの部活オフ。最近はなかなか休みがなかったんだけどどうやら監督が用事あるらしくて休みになった。休みといっても特にやること無いしとある奴と遊ぼうと誘ったらすぐに了承がおりた。相手も暇だったらしい。


まあその相手っていうのはお分かりの通り桜宮花子である。って言ってもう俺の部屋にいるんだが。……一言言わせて貰うがすごくうるさい。


というのも俺のアルバムを勝手に漁っては見て騒いでいる。まあコイツは小学低学年で引っ越したし若干記憶も曖昧で写真をみて懐かしんでいるのだろう。しかし騒ぎ方が尋常じゃない。すこし変わったかと思っても見たけどガキの頃となんら変わらない


なんだか俺も懐かしくなってフッと笑みをこぼした

「風丸ちっちゃいなぁ、かわいいかわいいかわいいかわいい!!!今はなんていうか美人になったよね」
「お前は小さい頃と全然変わってないけどな」
「なっ!少しは大人になったっての」

ぷりぷりと怒ったように見せる花子の頭をポンポンとあやすように撫でてやると「子供扱いすんな!」と殴られそうになったけどサラリとかわす。すると花子は拗ねるように頬を膨らませるので押してやったら ブッ となんとも情けない音が漏れた。

「もう!いじわるな風丸にはこちょこちょの刑だっ」

バッと体が近づいたと思えば花子の手が伸びてきて俺の腹の横でわなわなと動く。それがとてつもなくくすぐったくて思いっきり笑いが漏れ出す。笑いすぎて腹筋がどうにかなりそうなのを堪えて仕返しにと脇腹をまさぐる。

「あっひゃっひゃっひゃひいいいうっひっひっひか、か、かぜっ!うあっははっはっひいっはっはやめっうっひゃっひゃっはっはっ!!!」

なんて色気のない。仕方なしに手を止めるとヒーヒーと呼吸をする。すると目に涙をためてキッとこっちを睨むと「風丸のばか!」と俺を罵った。先にやったのはお前だ、と言ってやればうぐぐと押し黙る。


「そういえば、最近花子と半田よく一緒にいないか?」
「え?そうかなぁ、まあ同じクラスだし……」
「しかもよく一緒に部活に来るし」
「それは偶然途中で会って、」




「お前が昔言ってた"しんちゃん"って半田のことだろ?」
「えっ……なんで分かったの風丸エスパー?」
「ばか、見てたらなんとなく分かった」
「流石風丸だねー、その通りだよ。半田は覚えてないっぽいけど」

花子はそう言うとハハハ、と空笑いをした。そして少しの沈黙
俺はスゥっと息を吸いこむとフゥと浅く吐く。


「お前、半田のこと好きだろ」






「えっ」
「え、」


そしたまたしばしの沈黙。二度目の沈黙で先に口を開いたのは花子だった

「まぁ……好きっちゃ好き、だけど。なんていうか……」

よくわかんないや、と苦笑いを向けた

「ん、まあなんか悩みとかあったら遠慮なく相談してこいよ。聞いてやるから」
「ありがとね」

うふふ、と笑う花子になんだよ気持ち悪いな、と言ってやれば「失礼な!」と声を上げる。

「冗談」
「まあ、悩みが生まれたら大人な風丸に相談しちゃいますかね」
「ああ、どんとこい」
「頼もしい!」


多分こいつは半田が好きだ。ただ花子自信は気づいてないだけで。昔は馬鹿みたいに自慢してたけど、花子も成長したんだ。ちゃんと一人の女になっていってる。否、しっかりと一人の女の子なのだ。


微笑み、ふわりと花子の頭を撫でた。




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