01
一時の気の迷いで半田くんに昔の話をしてしまった。でも半田くんは気づいてない。というか昔の話だから忘れてるのかな…。忘れてても、仕方ないけど。ちょっぴり寂しかった。
転校した学校にはなんとなく予想はしてたけど円堂と風丸がいた。なんか二人とも相変わらずで安心したけど、最初に教室に入って目が合ったあの時。私は確信した。あの人がしんちゃんだって。私は忘れもしなかった。
どことなく面影が残ってて、それであの頭の天辺の双葉。最初はすごく驚いたけどその倍に胸が高鳴った。だって、もう会えないと思ってた人に会えたんだから。
その日から私はちょくちょく半田くんと話すようになって、だいぶ仲もよくなったと思う。私だけかもしれないけど。半田くんもそんな風に思ってくれてたら嬉しいな、なんて。
そして今日から一週間はテスト期間。サッカー部の2年生の一部はこれから期間中、皆の家でテスト勉強をするらしい。今日は円堂の家の日。私はそれに呼ばれたんだけど……
「あ゙ー!!わかんない!もう今日はやめて公園でサッカーしようぜ!」
「馬鹿円堂。お前が一番勉強しなきゃいけないんだから頑張れよ」
「だってよー……」
なんてやりとりを何回も見る。秋ちゃんと一緒にフフフ、なんて笑いながら。正直私の成績はどちらかといえば良い方、だと思いたい。しかたなく円堂に教えてあげることにした。
「えんどう、どこが分かんないのさ」
「花子!ここなんだけど…」
なるほど、と頷くとなるべく分かりやすいように教えてやると円堂はみるみる表情がよくなる。
「お前天才だな!先生より分かりやすいぞ!!サンキューな!」
ニッとはにかむ円堂の笑顔が眩しいです先生。
「あ、ちょっとお手洗い借りるね」
実はずっと我慢してた。下におりると円堂のお母さんと鉢合わせ。
「こんにちは、お邪魔してます円堂ママ」
「あら、もしかして花子ちゃん?守から聞いてたけど本当だったのねぇ、大きくなって」
円堂ママが私の頭を撫でる。なんかこれすごく落ち着く。小さい頃から優しい円堂ママが大好きだった
「そうだ花子ちゃん、これお部屋に持ってってもらえる?」
頼まれた物はお盆に乗っかるジュースとコップとお菓子達。断る理由もなく了承すると 穏やかな笑みを浮かべた円堂ママはありがとうと言うとリビングに消えていった
「みんなー円堂ママからの差し入れだよ」
勉強モードからガラッと切り替わり休憩に入る。円堂なんて脱力しちゃってるし。隣の半田くんなんて腰イテーとか言ってる。おやじかって。みんなの様子にクスリと笑いを漏らす。
「そうだ私アイス買ってくるよ」
「あ、じゃあ俺も行く」
暑いのでアイスを買ってくると提案すればまさかの半田くんの立候補。驚きをグッと押し込み了承すると家を出た。
「よかったの?」
「あーうん、ちょっと外に出だかったし」
「そっか!」
しばしの沈黙。どうしようどうしようと頭の中をめぐっていると先に半田くんが口を開いた。
「あのさ…、俺と桜宮ってどっかで会った?」
「…え?」
「いや、今の気にしないで」
どく、どく、どく、どく すごい速さで心臓が脈を打つ。もしかしたら半田くんは覚えてるのかな、なんて淡い期待を抱いた。
「えっと…桜宮!」
「えっ!?何!?」
いきなり大きな声で呼ばれて肩が跳ねる。思わず足を止めた。半田くんに視線を向けると彼もなんだか驚いてる様子。
「あ、ごめんいきなり大きな声出して」
「だいじょぶだいじょぶ!どうしたの?」
「や…あの、さ… テストの最終日って予定あいてるか?」
「い、一応あいてるけど…」
なんだか半田くんの顔が赤い。こっちも赤くなってしまう。
「一緒に出かけれないかなって……あ、いやあの、頼まれた買出しとかもあるし!!あにょっ……!」
今噛んだ?噛んだよね?噛んだよね!?不覚にも可愛いと思ってしまった。必死に笑いを堪えようとするけど我慢ができなくて爆笑してしまう
「笑うなよ……」
そんな膨れっ面しても可愛いだけです半田さま
「ごめんごめん、いいよ、一緒にいこ!」
「お、おう…」
なんだか知らないけど一緒に出かける予定ができました。テストの最終日だから…まあそのまま行くんだよね。先の事に少し恥ずかしいな、なんて頬をポッと染めた。
すごく楽しみです。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
本当に何が書きたいんだ!!まとまらない!
← →
▼ しおり