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「あ、今から部活だった?」
「あー、いや、大丈夫だよ。まだ時間あるし」
「そっか、ならよかったー」


ニコニコと笑みを浮かべる転校生、桜宮花子に話しかけられ自己紹介をしたんだけど何か流れ的に立ち話する感じになった

一目惚れしてしまった相手を前に心拍の上昇感じつつ、


「半田くんって何の部活してるの?」
「ああ、サッカーだよ」
「へー、サッカーかぁ 確か半田くんってサッカーしてそうな感じだよね」

クスクスと笑う彼女を横目にどういうことだよ、と苦笑いしつつツッコミを入れてみたり


「桜宮さんは何か部活とかすんの?」
「いや、私前の学校でも帰宅部だったし今は考えてないかなぁ」
「ふーん、じゃあ今度サッカー部見に来いよ」


ちょっとおおおおお!!?半田さああああん!?何口走ってんだよ俺!ばか!俺のばか!!


「いや、別に興味なかったらいいんだけどさ……、」
「んーん、興味ないことないよ、私のお兄ちゃんサッカーやってたし」

今は社会人で就職してるからやってないけどね、と苦笑いする彼女にホッと胸を撫で下ろした

「ならよかった」
「うん、私今度見に行くね!半田くんがサッカーしてるとこ見てみたいし」


おおうふ。桜宮さん不意打ち。心臓ドキドキしてる。俺、今絶対変な顔してる。絶対口緩んでる。キモいキモいキモい、やめて桜宮さんこっちに向かないで俺の顔を見ないで!


「そうだ、よかったらメアド交換しよ!」

大きなストラップが1つ付けてある、ピンク色をした可愛らしい携帯をこちらに向ける
俺は一瞬ポカンとしてしまったがすぐに戻り頭を勢いよく縦に振った

彼女は慣れた手つきで携帯を操作しながら赤外線でいいよね?と聞いてきたのでいいよ、と短く返すと二つの携帯を合わせる

画面には完了しました。の文字

「じゃあ、そろそろ帰るね」

半田くん部活ガンバ!と手を振り、去っていく彼女に おう、と返事をし手を振り返しながら見送った


もう一度携帯に視線を戻し、電話帳を開いて彼女の名前を探す。

あった。桜宮花子、と確かにある。夢じゃないらしい。


「よっしゃあああああああ!!!!!」


スキップでもしてしまいそうな衝動をおさえながら部活へと向かった。

最初は「今日妙にテンション高いな」「何かいいことあったか?」など言われ仕舞いには後輩に「半田先輩なんかキモい」と罵倒された。部活中もずっと顔が緩みっぱなしだったからな。

でもそんなのは気にしない!何たって桜宮さんのメアドゲットしたからな!!今ならきっと空も飛べると思う。


家に帰っても、ずっと桜宮さんのアドレスをにやにやしながら眺めていた。


流石に俺きも。




(あ、メール来た。ふひひ。)(『明日部活見に行ってもいいかな?よかったら一緒に行こ』)(『全然いいよ、キャプテンにも言っておく』)(よっしゃあああああああ!!!!)(はやく明日の放課後になれ!)




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