02




──バタン

部屋にドタドタと入り、ベッドに座り込む。


やってしまった。「はぁぁぁ……」と深く溜息を吐く。なにも悪くない桜宮にあたって、酷いこと言って傷つけた。なんて最低なんだろう。好きだんて言う資格ないな……。


その時ふ、とたまに見る小さい俺とどこかで見たことのある小さい女の子の夢を思い出した。

いつも見るたびに気になる。一体誰なのだろう。




するといきなりダン!!と自分の部屋の扉があかさる。


その犯人におい!!と怒鳴ろうとした時、そいつを見ては目を見開く。


そいつはズカズカと遠慮なしに乗り込んで来て俺に近寄ってくる。
ついには俺の前まで来て肩を掴んだと思いきや、そのまま俺を打っ倒して馬乗りしてきた。


「半田!!!!!あんた最低だよ!!!!きらい!!!半田なんか嫌い!!だいっきらいだ!!!!!」


第一声はそれだった。俺も腹がたって言い返そうとすると、ぽたり。俺の頬に一滴の雫が降ってきた。その後もぽたりぽたりとやむことなく降ってくる。ああ、こいつはまた泣いてるのか


「目逸らされるし、なんか無視されるし、いきなり拒絶されるし、わけわかんない!!!!!私が納得するように説明いてくれないとわかんないよ!!!!ほんと、さいってい……」


ずびずびと鼻を啜りながら続けた。


「好きな人に。いきなりそんなことされてっ……!辛いよ、半田ぁ!!」

「は……」

「何とか言えばか!!!!!!」


うわんうわんと泣き出してしまった。
俺はどうしていいのかわからなくて、そのまま抱きしめる。なにやってんだろ俺……。


すると細々く声がはっせられた。

「すき……」


ぐっと自分の唇を噛み締める。そしてすぅっと息を吸い、言葉をだす


「桜宮、ごめん……ほんとごめん……。こんなんで許してくれるとは思わない、だけどほんと……っ」
「桜宮!」

「はっ、はい!」

「……好きだ」


桜宮からえっと声が漏れる。


「あんな酷いこと言っておいてなんだけど、ホント好き。あれは……嘘っていうか、風丸に嫉妬して、お前にあたったっていうか……。すごい酷いことした。許してくれなくてもいいから……」


ああ、俺はなんて女々しいんだろう。スゲー格好悪い。

抱きしめていた桜宮の体を離そうとした時、逆に腕が絡み付いてきた。


「ほんと?私のことが好き、って……」

「ん、本当。」

「はっ……ぅう……よ、よがっだぁぁっ……!嫌われちゃったのかと思って、ぅえっ」

「ごめん……」

「ぇぐ……っ、好き、好き、半田」

「うん」

「半田ぁ……っ」

「おう」

「好き……」

「ん、」

「好き」

「俺も」

「好きだよ……」


綺麗な、いいにおいのする髪の毛をなでる。予想もしなかった、この甘い空間をじっくり堪能するかのように。




「桜宮」

「はい、」

「もう傷付けないし、泣かせもしない。ほんとに、好きなんだ……だから、よければ俺と、付き合ってほしい……」

「えっ……、は、はい!こちらこそ……!」


顔赤いぞ、と笑いながら言えば頬を膨らませ「うるさい」と叩かれた

俺達、両想いって、これ、夢じゃないよな……?

その後、俺達は何が可笑しいのか笑い合った。


そして、俺は絶対に桜宮を傷付けないと心に固く誓った。



「だいすき!」



ひとめぼれ.

end...




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