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その後3人は無事にクレープ屋まで辿り着いた。
紗良は助けてもらったお礼にカルマにクレープを奢るつもりでいたのだが、カルマは今日は臨時収入が入ったからと言って、紗良と渚の分のクレープも買ってくれた。
臨時収入と聞いて渚は苦い顔をしており、紗良はその事について質問したが、適当にはぐらかされた。
お金の出処に少々不安を感じた紗良だったが、美味しそうなクレープを目の前にしたらそんな事は気にならなくなった。
「ん〜〜おいしい!」
幸せそうにクレープを食べる紗良。
3人は白い丸テーブルを囲んで座っていた。
「紗良ちゃんのは、フルーツが沢山入ってるね」
と、渚は紗良のクレープを見て言った。
「ミックスフルーツクレープっていうのにしてみたんだ。渚君のは何クレープ?」
「僕のはブルーベリーチーズクレープだよ。カルマ君は?」
「俺はイチゴバナナで、チョコソースとキャラメルソースとバニラジェラートのトッピングつき〜」
よく見たらカルマのクレープはボリュームがすごかった。
「そ、そんなの出来たんだね…」
「うん。めちゃ甘くて美味しいよ。……あ、ねぇ紗良ちゃん。さっきから口の横にクリームついてるけど」
そう言ってカルマは紗良の方を見てニヤリと笑った。
「えっ!!う、うそ!?」
恥ずかしそうに慌てる紗良を見て、カルマはプッと吹き出す。
「あははっ。うそだよ」
「……もうっ! 赤羽君って本当に人をからかうの好きだよね……」
そう言って紗良は少しむくれた。
「紗良ちゃんが良いリアクションシてくれるお陰で楽しいよ」
そう言って、ニッコリと笑うカルマ。
渚はそんな2人のやり取りを見て、
「カルマ君、ほどほどにね…?」
と少し困ったように言うと「はーい」と間延びした返事が帰ってきた。
絶対わかってないな、と思う渚だった。
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