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今日は、E組に転校生が来る日だ。
一体どんな人物なのだろうと楽しみにしながら紗良が学校へと向かっていると、後ろからカルマに声をかけられた。

「おはよ、紗良」

「あ、おはようカルマ君。今日は早いね?」

いつもは授業が始まるギリギリか、遅刻してくることも多いカルマだが、今日は珍しく早い登校だ。

「まぁね。今日は転校生が来るらしいし」

「カルマ君も、転校生に興味あるんだ?」

「んー興味があるというか……。もしそいつが男で、紗良に惚れちゃったりしたら面倒でしょ? 後から来たやつに好きな子横取りされるとかヤだし」

修学旅行の日に告白されてからというもの、そういう類いの言葉を遠慮なく言われるようになり、紗良はその度にドキドキさせらせていた。

「そ、そんな簡単に惚れられないと思うけど……」

紗良がそう言うと、カルマは呆れたようにため息を吐く。

「分かってないよねぇ、紗良は」

「……?」

紗良自身は気づいていないが、密かに紗良に好意を抱いている者はE組のなかにも結構いて、修学旅行で男子部屋で執り行われた「気になる女子ランキング」では、紗良は上位に入っていた。
本校舎にも紗良に好意を寄せている某生徒会長が居るし、カルマとしてはこれ以上ライバルが増えるのはごめんだった。

「……まぁ、他の奴に渡す気なんてないけどね」

紗良の耳には聞こえない程度の小さな声で、カルマはそう呟いた。
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