彼氏がまじまじ不安定なんです2


「……………素直になる液体」

「は?!」

「リラックスして、本能に忠実になるという素晴らしいー」

「『本能に忠実』?……ちょ、それって、まさか」

「エッチなくすりともいう」

「!!」

「体がポカポカして、あったかくなって、興奮して、素直に求めてくれるーっていう魔法のー」





「ばっっっっっかじゃないの?!」




「いてっ、ちょっ、叩くなって」

「叩くわッッッ!!」

「痛ぇって!殴るなよ〜」

「そんな得体の知れないモン、黙って恋人に飲ませようとするなんて、サイッテーだC!!」

「原料はハーブメインでオーガニックで無害って言ってたしさー」

「そういう薬でオーガニックって、何だよ!?」

「うおっ!お、おいこら。そこ蹴るなんて、反則…っ」

「なんで一言いえないわけ?!」

「…言ったら飲んでくれんのかよ」

「ーっ!」

「ジロくん、最近忙しいーって構ってくんねぇし」

「だからって…」

「土日も用事ばーっかで会えねぇの」

「そ、それは就活がー」

「今日会うの久しぶりだし、俺のこと優先してくれたの嬉しいけど」

「…優先って。まるいくんに会いたかったからだもん」

「なんか疲れきってるし、気づいたらうとうとしてるしさ」

「ご、ごめ…っ、で、でも寝てないC」

「ジロくんの健康とリラックスと体調を考えてのスムージーを作ろうって思っただけなのによ〜」

「それであのジュースなの……ありがと。。」

「どういたしまして」



「ーって、違うでしょッッ!!」

「チッ」



「疲労回復ドリンクは嬉しいけど、そこに仁王の怪しい薬入れるって、どういうことだよ!!」

「ん…」

「人体に影響ないからって、よくわかんないもん混ぜるなんてありえないでしょ」

「だぁ〜って…」

「そんなの飲ませなくても、ちゃんと素直だC!」

「でもさ〜、ジロくんからあんまり誘ってくんねーじゃん」

「そんなことねぇもん」

「ある…。いっつも俺から……だろぃ」

「まるいくんがガツガツしすぎなんだよ。誘う前に乗っかかってくるの、誰だよ」

「んー…」

「ねぇ。頼むからちゃんとオレの意思、確認して?」

「うぅ〜」

「ちゃんと言ってくれればー」

「…殴られるってか」

「ばか!」

「あー、ジロくんが優しくないなー、寂C」

「何いってんだか…」

「ブン太くんは積極的なジロくんに襲われたいなー」

「…は?」

「上に乗っかって、自分で挿れてほしいです〜」

「ちょっ」

「たまにやってくれるけど、お願いにお願いした時しか乗ってくんねーし」

「……」

「ジロくんから誘惑してほしいです〜」

「…ちょっと」

「ほら、服ぬいで!」

「へ?」

「いいから脱げ!」

「……何なの、これ」

「しょ〜がねぇな〜ジロくんは。はい、いい子にしてましょうね〜脱がせてあげますからね〜」

「わっ、ちょ、ちょっと」

「は〜い、ご開帳〜」

「ばか…」

「続けて下も脱いじゃいましょうね〜」

「っ!!」

「パンツもいらないですよね〜」

「やっ、ちょっ、はなしー」

「いっちょあがり!」







「……人のことと全裸にさせて、何するつもり?」

「えへへへへへ」

「ていうか」





(酔ってる…?仁王の薬って、アルコール?)





「ねぇ、ちょっと」

「な〜に〜」

「酔っ払い」

「よってねぇし〜」

「……酒、弱いもんね」

「飲んでねーもん」

「酔ったら勃たないんじゃないの?」

「ジロくん相手ならいついかなる時でも、フル勃起〜♪」

「……ばか」

「でへへへへ」

「…で、熱くなって、興奮して、ぽかぽかしてきたの?」

「え〜、何で知ってんの?」

「何でだろうね」

「あ、お前、まさかっ」

「仁王の薬の効き目、どう?」




「飲まなかったのか!?」

「飲んだの見てたでしょ」





「だよなぁ〜えへへ」

「丸井くんも飲んだでしょ」

「のんでな〜い」

「ふ〜ん。でも、体あついんでしょ」

「あつい〜」

「で、どうなの?エッチな気分になるわけ?」

「えぇ〜?」

「仁王の薬入りジュース、一気飲みした感想を聞いてるんだけど」

「あ、お前、まさかっ!」




「最初っから怪しすぎるんだC」

「入れ替えたのか!?」




「大丈夫?アルコール弱いのに」

「うぅぅ…よわくねぇ〜」

「ただのアルコールかなぁ。水、飲む?」

「みず……」

「うん。持ってくるよーって、シャツ返して!パンツも、ズボンも」

「やだ」

「全裸でうろつく趣味ないっての」

「や〜だ〜」

「あ、ちょっ、パンツ放してよ」

「やーっ!!ジロくんのパンツは俺のもの」

「アホなこと言ってないで」

「置いていくなよ〜」

「キッチン行くだけでしょ」

「うそだ……また俺を置いて、しゅーかつに行っちまって、会ってくんねーんだ」

「何言って…」

「俺に禁欲を強いるんだろぃ」

「あのねぇ」

「セックスレス反対!」

「……バカ」

「ジロくんジロくんジロく〜ん」

「はいはい」

「好き〜っ、ラブ!」

「…はいはい」

「ジロくんも!」

「はい?」

「いーっつも俺ば〜っか。ジロくん、俺のことなんて好きじゃねーんじゃねぇの?」

「そんなわけないじゃん」

「俺はこんなに愛してるのに……冷たい」

「え」

「冷たい……ジロくんが俺に冷たい」

「まるいくん?」

「俺、きっと捨てられる…」

「は!?」

「ジロくん、俺を捨てて“しゅーかつ”と駆け落ちするんだ」

「そんなわけないでしょ」

「なんだよ〜なぁ、どうしてだよ〜」

「わっ!ちょ、こらっ、急に抱きつくな!!痛いって。力弱めてよ」

「弱めたら逃げるんだろ」

「…ここにいるでしょ?」

「なー、俺より“しゅーかつ”の何がいいの?」

「だからぁ」

「“しゅーかつ”のほうが絶倫?すんげぇ長いの?それともちんこデカい?」

「も〜この酔っ払い〜っ!!」

「俺、サイズ負け?それともすんげぇテクニック?そんなに“しゅーかつ”ってセックス強ぇの?」

「なにそのエロ思考」

「はぁ〜俺のほうが絶対ジロくん大事にするし、好きだし、ずーっと一緒にいれんのになぁ」

「……」

「ジロくんが俺より“しゅーかつ”を愛してるっつーなら、身を引くべきなんかなぁ」

「…引くの?」

「引きたくねぇよぉ…っ…何年片思いしてたと思っ……」

「ま、まるいくん、泣かないで」

「いやだぁ〜、ジロくんは俺んだ!!」

「お、落ち着いて」

「でも、ジロくんは俺を捨てるんだよな……男らしくスパッと身をー」

「ひゃっ!あ…っ、ちょっと」




「引きたくねぇ〜!!ジロくんは俺のだー!」

「やっ、あんっ…」




「ん…っ」

「ふっ…ま、まるいくっ…やぁっ」

ぴちゃぴちゃ

「やっ…くち、はなして!」

くちゅくちゅ



(あ…久しぶりだから、ダメかも…)




「あ、あ、んんっ…まるいく……イっちゃー」




(まるいくん、目が…空ろっていうか、恐いC)




「はぁ、はぁっ…」

「ジロくんは、ぜってぇ渡さねぇ」

「…っ…」

「別れねぇから」

「…っ、だれが、別れるって?」

「……」

「ばか!まるいくんしか好きじゃないC!」

「……………ほんと?」

「当たり前!!」

「ジロくんっ…」

「わー、ちょ、こら!」

「ジロくん、ジロくん…っ」

「……はいはい、よしよし」

「わ〜ん…っ…ジロく〜ん」

「はいはい。落ちつこうね。まるいくんが一番だから」

「ほんと?…グスっ…」

「うん。やだ、泣かないで」

「ジロく…っ」

「よしよし。いいこいいこ。まるいくん、大好きだよ」

「っ…」

「オレのほうがずっとずっと、昔から好きだもん」

「……俺の方が好き」

「えへへ。大好き同士だね」

「ジロくんっ!」

「忙しくてあんまり会えなくてごめん…。今はあまり余裕無いけど、時間つくって必ず会いにくるよ」

「うん…」

「今日と明日はずーっと一緒にいれるから、イチャイチャしよ?」

「ん…」

「眠い?飲むと寝ちゃうもんね」

「ねない。えっちする」

「あはは、たたないでしょ?」

「勃つ!」

「……ほんとだ。なんで?いつも酔うとヘロンヘロンなのに」

「愛だ!」

「そ、そう」

「ジロくんといて何もしないなんて、ジロくんに失礼だろい!」

「そんなこともねぇけど」

「頼んます」

「わっ、ちょ、何で土下座?!」

「ヤラしてください」

「そ、そんなことしなくても、するよ」

「…ジロくんから誘惑して」

「へ?」

「騎乗位で腰ふってください」

「はい?」

「俺のちんこペロペロしながら自分で後ろほぐして」

「はっ?!」

「なめて」

「…わかった」

「指いれてぐちょぐちょして」

「……はいはい」

「上に乗って、自分で挿れて!」

「………それが、まるいくんの希望?」

「数ある願望の一つといえる」

「…………わかったC」






「朝まで繋がっていたいです!」

「ばか…」

「ジロくん、大好きです!」

「もう……」

「エッチな気分です!」

「なに?このテンション……ったく、仁王のヤロウ」

「はやくパクって食べてほしいです!」

「はいはい」

「すぐにジロくんの中、入りたいです!」

「………じゃ、もう挿れる?」

「だめです!」

「え…?」

「準備しないとジロくんが辛い」

「…酔っ払いなのに、優しいのは変わんないね」

「ちゃんと後ろぐちょぐちょして、ほぐしてください!」

「…サイッテーだC」

「愛してます!」





「………オレも、愛してます」





(はぁ……いつも酔うと寝るか甘えるかで、こんなにハイテンションにならないのに。
アルコールとハーブ…?何が入ってたんだか。

久しぶりに、会ったんだし。。。ま、しょーがないか。
ごめんね?)





「ジロくん…っ…はぁ、はぁ」

「ん…っ…いいよ、出して?」

「っ…」

「今日は、まるいくんのしたいこと、ぜ〜んぶ言って?」

「う…んん…っ、あっ…」

「ほら、我慢しないで」

「あ…っ、ジロくっー」







暗転






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