百人一首題-001

ここのところ、雨がずっと続いている。
しとしとと降り続く雨の音を聞いていると、鬱々とした心が一層重くなる気がする。
筆を持つ手を一度休めて、はぁと深い息を吐き出した。
溜め息と共に、この憂鬱な気持ちも出ていってくれればよいのに。
そうは思うものの、実際に気分が晴れる訳もなく少し開けていた障子を閉めた。

最後に政宗から文が届いたのは、今からもう一ヶ月も前のことだ。
届いた文が嬉しくて、その日のうちに返事をしたためたというのに政宗からの返事はない。
意外と筆まめで、送った文にはいつもすぐに返事が来るというのにどうしたんだろうか。
相手は一国の主なのだから忙しいこともあるだろう。
政務が忙しく、身体の調子を崩してしまったのかもしれない。
返事が来ない理由をつけようとして、余計に不安になってしまう。
これでは自分の政務に身が入らない。
もう一度息を吐き出して、兼続は立ち上がって部屋を出た。


雨は相変わらずしとしとと地面を濡らしている。
そんな様子を兼続は傘の中から見ていた。
もしかしたら、今日こそ文が届くかもしれない。
その淡い期待を捨てきれず、雨だというのに外へ出て待ってしまうのだ。
雨は容赦なく兼続の身体を濡らしていくが、そんなことは気にならない。

「政宗・・・」

なかなか会うことが叶わないのだから、せめて文だけでも。
口には出せない思いが悲しくて、濡れた袖でそっと目元を覆った。

*

やっぱ戦国難しいー!
政宗と兼続は恋仲だけど、お互い国のこともあるからひっそりと思いを育んでいればいいなと思うのです(`・ω・´)
兼続がすごい女々しいけど、このお題を見たときに待ちぼうけ兼続が浮かんでしまったのだから仕方ない。
まぁこれも練習、チャレンジあるのみ!

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