12/19 ( 22:10 )

琉夏と遊園地

 朝早く、はばたき駅で待ち合わせ。
 今日は沙雪と二人で少し遠い遊園地に行くのだ。開園時間から夜の花火までフリーパスで遊び倒すつもり。
「琉夏君、待ったでしょ」
 走ってくる沙雪は、帽子に半そでブラウスにジーンズと動きやすい格好をしている。手にはお弁当が入ってい
るらしい包み。
「いや、待ってないよ」
 しかし彼女は申し訳なさそうにする。
「じゃ、今日は俺とめいいっぱい遊んで」
「うん、分かった!」

 開園少し後に着いた遊園地は、程よい人出で賑わっている。
「ここはコースター系が豊富だから、俺は全部乗るつもり」
「え、全部?」
 ぎょっとしたように見上げてくる沙雪に、満面の笑みで答えてやる。
「そう、全部。沙雪ちゃん結構コースター好きだよね、一緒に乗ろ」
 吊り下げ型や長距離、スピンに室内コースター、三回転と直滑降など盛りだくさんだ。
 それから一日かけて、休憩を挟みつつ結局全部二人で乗った。
「も、お腹いっぱい。一生分乗った気がする…」
「叫んでる沙雪ちゃん可愛かった」
 叫び顔なんて見ないで恥ずかしい、と憤る彼女を宥め、花火の良く見える高台の広場で寄り添う。
 花火大会のように豪勢ではないけれど、十分綺麗な花火を二人で見上げる。ふと見上げた視線の先にあるもの
を見つけ、琉夏は少し笑う。
「ねえ沙雪ちゃん、後一個乗ってないコースターがあるよ」
「へ、コースタースタンプラリーの景品、貰ったよね」
 不思議そうに見上げてくる彼女の手を引き、花火のおかげで人のまばらな園内の奥に進む。メインの通りから
少し外れると、小ぢんまりとした施設があった。
 小さなてんとうむしのコースター。大人も十分に乗れるが、ラリー等のイベントに入らないこどもゆうえんち
の遊具だ。
「これに乗るの?」
 うん、と嬉しげに頷く琉夏と手をつないだまま、係員のお爺さんにフリーパスを見せる。もちろん貸しきり状
態なので、先頭に陣取る。ゆるいシートベルトだけの座席は大人が二人入るとぎちぎちで、ちょっとおかしい。
 ベっべー、という間の抜けたブザーが鳴り、ごろんごろんとてんとうむしが進む。ゆっくりゆっくりカーブを
曲がりのそのそ坂を上る。
「琉夏君、これちょっと恥ずかしい…」
「そう?」
 そっけなく答えた琉夏の顔は笑んでいる。これは何かたくらんでいるときの顔だ、と沙雪が身構えた時、坂を
上り終わったてんとうむしが思いもかけないスピードで滑空し始めた。
「きゃ、きゃあああ!」
「結構速いんだよ!」
 ごごごごごと音を立てながらくるくる回り、地面を掠めて二回波打ち急カーブを曲がる。さすがにコースは短
いため、その後すぐに乗車場に戻った。
 が。
「二周するかい?」
 そうスピーカー越しに聞いた係員に、琉夏が腕で丸を作って答える。
「え、えええ」
「もう一周ー」

 そうだ、前にもこんなことがあった。
 これくらいなら大丈夫だとあなどり、桜井兄弟と沙雪と他の友達で一緒てんとうむしへ乗った。意外な速さに
泣いてしまった沙雪を、少年たちは二人で慰めてくれたのだ。

「思い出した?」
 うん、と頷くとにっこり笑った琉夏が不意にキスをしてくる。
「キスできるコースター、穴場だよね」
 もう、と言おうとした瞬間坂を上り終えたコースターが滑り落ち始め、文句は悲鳴に消えた。



12/19 ( 21:51 )

風呂

沙雪「お風呂沸いたよー」
琉夏「一緒に入ろ」
琥一「メンドクセーな、何なら一緒に入るか?ククッ、冗談だ」

深雪「お風呂丁度いいよ」
嵐「押忍、先貰うぜ」
新名「はーい、アンタは?じゃ先入っていいよ」

雪子「あの、お風呂沸きました…」
紺野「ありがとう、でも君が先に入っていいよ」

雪代「お風呂どう?」
平「先にいいの?ごめん、すぐあがるから。…へ?何で君もついて来るの」
太陽「先輩先にどうぞ!一緒に?ええ!?」

雪代「お風呂沸きましたよ」
大迫「おう、気が利くなぁ。でも先に入っていいぞ、なに、ビール冷やして待ってる?うーん、それも魅力的だなあ」
藍沢「君は?家で入ってきたのか、そうか…、なに、残念そうだって?言いがかりだぞそれは」



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