だったら時間には余裕があるはずだよな。

「よし!」

俺はその場に腰を降ろした。

今日は任務に出る前と電車の中のトータル10時間しか寝てないから眠くて仕方ない。
一日18時間くらいは寝ないときついからな、俺。
いっくら寝てもすぐに眠くなるんだから、不便な体質だよなぁ。

誰もいないのをいいことに昼寝しようとしたのがばれたのか
下げたはずの通信機から鼓膜を破るほどの大声が響いてきた。

『昼寝は後だっ!!』

「げっ」

全く、一体どこから監視してんだよチーフ。
人権問題で訴えるぞ。

「やだ!俺寝るかんね!おやすみっ!」

『こら、ウーノ!』

「zzz…」

『もう寝た!?』

チーフのうるさい説教から逃げるために俺は意識を手放した。
こうして夢の中に逃げてしまえばこっちのもんだぜ。

だけど、向こうも向こうでそんなこと慣れっこらしい。

『…ウーノ、そこに絶世の美女が』

「マジ!?」

『嘘だ』

いつも通りの簡単な嘘に俺はあっさりと引っかかってしまった。
あ〜あ、またやった。美人がいるなんて言われたら起きるに決まってんじゃん。
今まで本当にいたことなんてないけどさ。

ところが、これはどういうわけか。

俺は何度か瞬きをして、チーフに問いかけた。

「…どーいうことかな」

『お前はこうすればすぐに起きるからな』

「…そうなんだけど」


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