Uno side
ったく、どんだけ歩かせたら気が済むんだよ。
見渡す限り、大木、大木、大木。さすがに飽きるってもんだぜ。
それにこういうところに来ると眠くなっちまうしなぁ。
「ふーん…この林道抜けたらマラー村か」
近くに立てられた標識を見てボソリとつぶやいた。
それによると、俺の目的地まではあと1キロ。
短いような長いような、歩くとなるとめんどいんだよなぁ。
一人で歩いてる俺の耳に、とある老人の言葉が入ってきた。
耳にセットした小型の通信機からだ。
『いいかウーノ!昼寝は後だ!ピースの回収を優先しろ!』
「あーいよっと、任せろって」
年の割りに元気のよろしい事で。ぎっくり腰でも起こすんじゃねぇぞ。
文字通り耳に痛い声を遠ざけるために、通信機の音量を下げた。
こんな人っ子一人いなさそうな林の先に村があるなんて信じずらいな
なんて言ったら帰ってからどつかれそうだからやめとこ。
とりあえず帰りの電車もあるし、今の時間を確認した。
現在の時刻、午後5時。
(まだ夜まで時間あるなー…)
確か、9時の電車に手配してくれてるんだっけ。
今から村に行って、目的のものを回収する。
その回収までに交渉が必要だけど、まぁそこまで時間はかからないだろう。
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