ポーン、と世界共通の到着を告げる音が鳴って、ドアがゆっくりと開く。
ちなみに地下はクライマ機関の本部で……って言いかけた、ちょうどその時。
"パーン!!"という軽快な音と共に沢山の色紙が飛んできた。
あーあ、またやってやんの。
大の大人の癖してみんなこりねぇよなぁ。
「ウェルカーム!!」
「ようこそ、クライマ機関へっ!!」
俺たちを待ち構えていたのは白衣を着た集団。
つまり、ここで働く関員の皆だ。
どうも皆は新しく人が入るたびにサプライズで迎えるのが好きらしくて、毎回今みたいにクラッカーで驚かせて出迎える。
おかげでキュオもすっかりぽかん顔をしてた。元が可愛いから可愛いままだけどね。
その目はやっぱり俺に「何これ?」と訴えてる。
ま、とりあえずは俺も改めて迎えてやるかな。
俺は白衣のみんなの中に混ざって、再び二人に向き直って両手を広げた。
「ようこそキュオ、ジャンタ!皆で歓迎するぜ!」
俺がそういったのを引き金に、また後ろの皆がやんややんやと騒ぎ出した。
「クライマ機関は、"欲を溜めず、やりたい事はその時に"をモットーに!」
「ちょっと怖い世界ではあるけど、楽しくやってるわよ!」
「ルールをそれなりに守ってくれれば後は割と自由なんだな」
「いやー、嬉しいなぁリクレス希望者なんて!皆、今夜は宴だー!!」
「よっしゃー!!」
「副チーフ太っ腹!!」
大人たちが年甲斐も無く騒ぎ立てる姿に、やっぱりキュオとジャンタは置いてけぼりを食らったようにぽかんとしてた。
ああ、皆初めからテンションが高すぎるんだって。かく言う俺もその一人だけどさ。
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