Uno side
とあるド田舎での戦闘を終えた翌日。
ようやく帰宅できるようになった俺は、お土産二人を連れて歩いていた。
とは言っても距離が遠いんだこれが。国が違うからね。
同じヨーロッパ圏でも、いざ移動してみるとここまで遠いんだなって毎回思うよ。
まぁ、今回は国二つ分くらいの距離だったしまだマシかも。
本当に遠い時だったら地球の裏側まで行かされるからな。
国境を二回もくぐって、電車や汽車やバスに何回も乗り換えて、やっとこさ目的地に到着。
最終的にたどり着く駅はクライマ機関のために作られたようなものだから、他は誰も降りない。
駅から外に出ればしばらくは過疎地域だ。
集落なんてどこにも見当たらなくて、ただ広がるのはだだっ広い荒野だけ。
だけどその中心にある馬鹿でかい建物こそ、俺の帰る場所。
「ほら、ついたぞ」
思った以上の長旅にキュオとジャンタも疲れただろう。
俺にとってはいつものことだからなんてことは無いんだけどな。
振り返ったらまず見えたのは、疲れたという表情よりも驚きの表情だった。
まぁ普通は驚くよな。こんだけデカかったら。
「これがクライマ機関だ」
目の前にたたずんでいるのは、本当に「大きい」しか形容詞が見つからないくらいの巨大な施設。
高さはまぁその辺の高層ビルくらい。幅はというと、正直わからない。
窓が沢山ついてるドームって行ったらわかりやすいだろうか。
「ちょっ……でかくないか!?」
「街一個分だしな」
「街!?」
「あぁ。その辺の街くらいはあると思う」
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