「この前、告白をされたんやけど」
「そか、よかったな」
「…はあ、」
「なんやその返事は」
ぱたりとそう云って目の前で閉じられる本。
蔵のすらりと綺麗な長い指に目が行く。
「や、自分の彼女が告白されたってゆうんにそんな返事やからびっくりしただけや」
「なら、なんていったらええんや」
そういって蔵はくしゃ、と髪をかきあげた。
その仕草はわたしが好きな仕草のひとつ。
「もうちょっとなんか、こう、感情の面でなんかあってもええんやないかなーて」
「おん」
また、この返事だ。
きっと蔵はわたしが断ると分かっているからこんな調子なのだ。
あーあー、ベタ惚れな自分が悔しい!でも、蔵以外にわたしがなびくわけがないのだ。
だって蔵は私のもので私の生きる意味で私のすべてなのだ。
「も、ええわ。ちょっとだけ嫉妬してくれるかなとか思ってた私が馬鹿やったわ」
そういって立ち上がろうとするとぐいっと手をひかれてバランスを崩した。
そのまま踏ん張れるわけもなくすっぽりと私の体は蔵の腕の中。
「な、」
「あーもう、なまえはほんま」
そういったと思うと顎をぐい、と持ち上げられて息も出来ないほどのキス。
深く入りこんできた舌は私のものも絡め取り、どちらのともわからない唾液がいやらしい音をたてた。
当然、やっと離された時には完璧なる酸欠状態。
「あんな、なまえが思っとる以上に俺は嫉妬深い男やで」
ただ、隠すのがうまいだけや、そういって蔵はまだ顔を真っ赤にして惚けている腕の中の私をみて酷く嬉しそうに笑った。

(そんなら、なまえのリクエスト通り今度からは余裕ぶって隠さずに全身全霊で束縛してやるわ)





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