むねがいたいんだけど。

そう言えば、大きな目をぱちぱちと瞬かせた。
長い睫毛がその頬に影を落としていた。

「なんでだと、思う?」
「なんでって、私は医者じゃありませんよ」
ああ、なんたる鈍感!でもそこもかわいいんだが。
こういうときは「其れは恋だ」とかいってくれねえとな。
それは、たまたま今日行った店ですれ違ったじょしこうせいとやらの会話の中に出てきた言葉だ。
なんともかわいいもんじゃねえか。
「はっ!まさか病気かも!?具合が悪いですか?!」
「い、いやいやいやそんな気がしただけだっつの!」
わあわあと見当違いの心配をして騒ぎ出す、その小さな身体を腕の中に閉じ込めながら俺はため息をついた。




(前途多難な俺の恋。やっぱり恋は物語のようにうまくは進まねえ)



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -