気付けば昔から一人だった。

最初にいなくなったのは母だった。父の浮気で愛想を尽かした母は私を置いて出て行った。

しばらくすると今度は父親だった。私に今住んでいる部屋を与えて浮気相手と一緒に出て行った。

父からは罪悪感からか、たまに手紙が届いた。その内容は仕送りは足りてるか?だけだった。そんな汚い金を使う気になれず、残高は増える一方だった。

母からも手紙が届いた。その内容は元気にしているかどうかの内容だった。私に会いたいだの寂しいだの書いてあるが、今まで一度も会おうだなんて書かれていたことはなかった。結局、父と同じ罪悪感で私に手紙を送っているのだろう。

みんな自分が可愛くて仕方ないのだ。

もう、どうでも良かった。
端からはただの独りよがりだとか寂しい奴なんだとか言われているのは当の昔から知っていた。それでも別に構わなかった。勝手に言っとけば良いと思っていたし、気にしたら負けだと虚勢を張っていられるからこそ生きられる気がした。


ひとりぼっち時間


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