第十六章
紺碧 の髪のかわいい少女は人形をひろわせてベッドに寝かせ、三人の医者を呼び、人形の生死を調べさせた
ピノッキオが暗殺者たちに
この合図から、羽ばたく大きな音が聞こえ、その急激な音とともに大きなハヤブサがやって来て、窓の
「何か命じられますか、私の優美な妖精さま」
と、ハヤブサがくちばしを うやうやしく下げながら言いました(知っておく必要がありますが、この
「大きなカシの木の枝に
「見て来ましょう」
「さあ、すぐにあの木の下へと飛んで。あなたのくちばしで縄の結び目をぶっ壊し、外気に晒し吊るされている『それ』をカシの木の根元の草葉に、優雅に寝そべらせておやりなさい」
ハヤブサは飛び去り、二分後に戻るなり、こう言います。
「あなたが命じたことをしてきました」
「どうだった?生きている?それとも死んで?」
「見た感じ死んでいます、が、まだちゃんと死んでいないはずです、というのも
それから妖精さまは、手を二回小さく叩くと、後ろ足二本でまっすぐ歩く、まるで
彼は金の
「さあ、いい子だね。メドーロ!」
妖精さまが
「今すぐ私の馬小屋にある いちばん美しい
それから少し経つと、美しい空色の一台のかわいらしい馬車……全ての椅子のクッションはカナリアの羽根で出来ていて、馬車の内側には
馬車ちゃんは100匹の白ネズミが荷馬となって力強く引いて行き、
さらに四時間が過ぎて、馬車ちゃんが帰ってくると、妖精さまは家のドアの前で待っていて、哀れな人形を首に抱き、
それからすぐに二人の医者が到着し、その次に別の奴が到着しました、つまり 来た順番は、カラス、フクロウ、それからべらべらコオロギです。
「貴家におたずねしたいのですが」
と、妖精さまはピノッキオのいるベッドのまわりに集められた三人の医者の方を向きながら言いました。
「このみじめな人形が生きているか、死んでいるかを紳士諸君にお教えいただきたい……!」
この要請に、最初にカラスが自ら前に出て、ピノッキオの手首に触れ、そのあとに鼻、そのあと足の小指……しっかりと触ってみて、厳粛にこの言葉を発しました。
「私の見解では人形はとうに死んでおりまする、しかし不運にも死んでおらなんだ場合、それは相変わらず生きている 確かな
「すみませんが」とフクロウが言いました。
「我が令名高き盟友・カラス氏に矛盾してしかるべき私にとっては、人形は常に生きておりまするが、不運にも生きておらなんだ場合、ならば本当に死んでおりますでしょう」
「あなたから何か言うことは?」
と、妖精さまはべらべらコオロギにたずねました。
「賢明な医者であれば、
ピノッキオは、そのときまでは本当に木材のように動かなかったのですが、
「そこにいる人形
「悪名高い、筋金入りのならず者……」
ピノッキオは目を見開き、すぐに閉じました。
「悪党のガキで、無気力な なまけ者の浮浪者……」
ピノッキオは顔をシーツの下に隠しました。
「そこに
この一節により、部屋に窒息するような すすり泣きの音が聞こえてきました。シーツを少し持ち上げてみたら、ピノッキオがすすり泣きで泣きじゃくるのを見つけたときの みんなの顔を想像してみなさい。
「死者が泣くときは、治癒の途中にあるという
「令名高い我が友であり同僚に反論いたしまするのは痛みますが……」と、フクロウが付け足して言いました。
「が、私にとっては死者が泣くのは死ぬことを残念がっている
◆出典元
『ピノッキオの冒険』 AVVENTURE DI PINOCCHIO
作 カルロ・コッローディ Carlo Collodi
出版社 Felice Paggi Libraio-Editore 出版年 1883年