「貴女、パーティではあまりお見かけしませんわね。どこのファミリーの方ですの?」
「え、えっと……」
「ティアは俺の知り合いの娘だぞ。あんまりファミリーの事は知らねぇんだ」
「まぁ。ご自分のファミリーの名前もご存知ないだなんて…」
「出生は俺が保証するから気にすんな。それとも文句あるのか?」
「い、いえそういう訳ではありませんわ」
「リボーン言い過ぎ」
「私の無知せいで申し訳ありません……」



エリーナ様が気になさるのもわかる。
普通はファミリーのことなんて熟知してるはずだもの、家族なんだから
十代目様にも不審に思われてしまったでしょうか



「じゃあ自己紹介は終わりだね。あ、俺たちの自己紹介は必要かな?」
「ぞ、存じております……」
「必要ありませんわ、存じております」
「必要ないんじゃないか?君達のことを知らないお嬢さんはいないだろう」



皆さんが不要と仰っていますが、私は存じてないですごめんなさい。どうしましょう……

知らないです、だなんて言える空気ではないですよねこれは私にも分かります。



「ティア嬢も大丈夫かな?」
「は、はい!大丈夫です!!」
「…………フッ」
「(わ、笑ってらっしゃる……!!楽しんでますねこんにゃろう!)」



心の中で思ったはずなのですが、リボーン様に睨まれてしまいました……



「それじゃあ、各部屋に案内するね。隼人」
「はい、かしこまりました。骸はエリーナ様を、ランボはカレン様。アヤカは雲雀に付いて行ってくれ。武はティア様をご案内しろ」
「わかりました」
「任せろ!」



十代目様(仮)に案内を任された隼人様は一度お辞儀をしてからこちらを向き、それぞれ後ろにいた人物に案内をするように声をかけた

ふむふむ。4人のお名前はわかりました
あ、骸くんは元々知っているんですよ!
ヴァリアー邸によくいらしてますからね、フランちゃんのお師匠様らしいです



「それじゃあ案内するぜ、ティア」
「はい。よろしくお願い致しますね、山本様」
「武でいーよ。なんかむず痒くってさ」
「えっとそれは……」
「俺がいいって言ってんだ、誰も文句言わねーよ」
「っはい!それでは武様と呼ばせて頂きますね!」
「様もいらねぇんだけどなー」
「それはいけません」
「ちぇっ。しゃーねぇ、そんじゃ行くか!」



ニカッとおじ様のように眩しい笑顔を見せてくれる山も……武様
ご案内してくださるのが武様でよかった!
緊張していたのが解れてきました




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