それも重度の
RRRRRR――
RRRRRR―プッ
「もしもし」
「もしもし、私」
「……詐欺か?」
入学式の夜、私は従兄弟に電話をかけた
普段から三日に一回くらいは連絡とってるけど、向こうも今日が入学式だったはずだし
(ディスプレイに名前出てるくせに。私だけ着信音変えてるのも知ってるんだから!)
「杏里よ。相変わらず意地悪なんだから、蓮二」
「昨日も電話で話したときから劇的に人間性が変わる訳ないだろうな。」
「意味わかんないし。」
「忍足は見つけられたか?」
「同じクラスじゃなかった。」
「それは残念だったな。」
そう言った蓮二の声は少しも残念そうじゃなくて
むしろ、ざまぁみろって聞こえる……
「間違いなく氷帝にはいるのだからすぐにみつかるだろ。」
「いやでも目立つだろうからね、彼。テニスコート張れば一発だし。」
そぅ私が追いかけたのは
"忍足 侑士"
その人だ
「友達、できたよ。」
「そうか。」
少し息を吐いて安心した声
私のこの性格を理解してくれて、なんだかんだ言いつつ子供の頃からいつだって私の味方してくれるから返す言葉もない
「実際の彼が救いようがない性悪だったらどうしよう?」
「俺のデータが信じられないのか?それに、杏里程の性悪なんてみたことない」
「蓮二はいつも一言多い」
「光栄だな。お礼に良いことを教えてやろう。」
「何?」
「忍足はD組だそうだ」
「蓮二愛してる私C組隣なんだけど合同授業の可能性高いよね近いよね」
「息継ぎをしろ」
ハァ…興奮の余り、つい
馬鹿みたいにクラス離れてたらどうしようとか考えてたし、隣なら程よく接触があると思うの!
色々想像してたら、検討を祈ると言われて電話を切られた
蓮二のやつ、他にも情報を仕入れてるはずなのに…
小出しにする気か?
ま、いっか
明日はさり気なくD組を見に行こう
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[mokuji]
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