ドラマティック・シネマ | ナノ







朝から玄関で会えないかなとか教室入るとき会えないかなとか考えてたのに、そう上手く行くもんじゃない

私が登校した時はきっと朝練の時間だったと思う
テニスコートがある方向から黄色い声とボールの音が聞こえたから


(見になんて行かない
その辺のファンだと思われる第一印象なんてごめんよ)


隣のクラスに思いを馳せながら迎えた四時限目
担任教師が委員会を決めていきますと言った。

周りからは、面倒くさいとかやりなくないとか聞こえるけど
私はこの時を待っていたと言っても過言ではない

「杏里、杏里、委員会って放課後残ったりしなきゃダメだよねぇ?」

「そうだね。休み時間とかも集まりあったりするよね。」

「部活あるからパスだな。」

「私、部活入る予定ないからやろうかな?」

「えー物好きぃ」

実は入りたい委員会は決めてる
そこしかないと賭けていると言ってもいい

彼の趣味は『読書』となれば委員会は一つ


「図書委員会なんて、一番やっかいなの選んだね」

「本好きだし。」

「今日の放課後から委員会なんでしょ?」

「そう。頑張るね」

目的のためなら放課後居残り当番だってやってみせる
まぁ、元々読書が好きだったし苦ではない。
恋愛小説が好きだと知ってからは、手当たり次第に読んだ

結果、私もハマったと言うね…

香織とお喋りしてたら四時限目終了の鐘が鳴った
図書委員会を選んだ理由はもう一つある

氷帝の広い図書室の奥にある書庫
そこの窓からはテニスコートが見える、らしい
(蓮二情報)




その後、放課後に行われた委員会で私は火曜の当番になった。


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