電車めも。 軌跡中心に。 |
▼ 軌跡 ワジ→ロイド←ノエル 彼の横顔は見慣れている。その造型が人並み外れて整っていたことを誰より知っている。一心に見つめている先も知っている。それが自分と同じであることも知っている。知っている。分かっている。なんて虚しい。どちらも報われないが故に。 「ワジ君って、なかなかあたしのこと正面から見てくれないよね」 「そんなこと言うけど、ノエルも僕を見てないよ?」 二人揃って同じ光を見ていた。それは謂わば電球で、所構わず誰かの救いになっていた。暖かくて、憧れだった。 「じゃあ見るから、ワジ君も」 「……ずいぶん暇なんだね」 二人向き合って同じ光を見た。それは謂わばレーザーで、拡散することなく真っ直ぐ眼球を貫いた。本当に哀しい。どちらも報われないそれが。 (要らない迂回) |
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