星空
真っ暗な長い長い夜。窓際で空を見ていたら流れ星ひとついただいちゃいました。
「電気はまもなく復旧します」という放送から2時間半。停電からは12時間。真夜中の街灯に明かりが点った。
いつもは当たり前と思ってしまうけど、大変ありがたい。
続きは地震話。興味ある方はお付き合いください。
ラジオもなくテレビも見てないから、文字と少しの写真でしか情報が入ってこなかったけど。
自分の目で見える世界って、本当に小さいと思い知る。
そのとき私は伯母に付き合って携帯電話のショップにいた。揺れ始めてすぐに停電した。
揺れがすごくて外に出たけど、足元のコンクリートが割れて沈むんじゃないかと思った。まさか宮城の方の地震だとは思わないくらい揺れた。
伯母の義実家がまさに宮城県栗原市で、「ばあちゃん……」ってつながらない電話を何度も掛けようとしていた。
1時間くらい一緒にいたけど、連絡がつく前に別れた。早く無事が確認できますように。
もう10時間前、真っ暗な夜が始まった。
暗くなっていく部屋の中で、こんなに灯りが恋しいなんてと思った。
いつもより暗い街の空は、いつもよりきれいな星空。ここからこんなにたくさん星が見えるなんて知らなかった。
まだまだ暗くて冷たい夜が続いてる人もいると思うとなんだか眠る気にもなれない。
17時に向けてスタンバイ……って書いたことも、21時くらいまで忘れてた。
震度7とか大津波警報とか初めて聞いた。海が近いので少し高台へ行って様子を見たりもした。
被災地とは呼べないほど遠いところに住んでる私がこんなにも凹んでるのに。複雑な気持ち。
夜明けってどこかにありますか。
誰かに分けてあげられますか。
みんなに訪れるのですか。
それは平等なのですか。
そんなふうな気持ち。
私のところは夜明けに手が届いたような気がするから。
また揺れてる。おなかも空かないよ。