※幼なじみ設定
これの続き



ふと目が覚めると見慣れた天井。

あー俺二度寝したんだっけとぼやけた思考の中で枕元に置いていたケータイを手探りで探す。
あった、ケータイを開いて時間を確認するとどうやら2時間近く寝ていたらしい。

(何か飲も…)

寝起きの喉はカラカラでやけに喉が乾く。
下に水があったよな…と思いながらベットから出ようと床に足をつけようとすると、

ぐにゃっ!!

「え、?」
「痛いッッ!!」

床につけようとした足の裏からは普段踏み馴れている冷たくて固い床の感触を感じなくて。
何だか柔らかくて温かいその感触にえっ、と思考が停止しかけていると痛い!痛い!と聞いたことのある声が聞こえてきた。

聞き覚えのある声がした方向、恐る恐る下を見てみるとそこには、

「踏みつけんなよ!痛いだろバカ!」

なんと幼なじみの円堂がいた。

「はっ、」
「へ?」
「はああああぁぁぁああああ!!!???」
「っ!Σ」

えっ、ちょっ、はあっ!?何で円堂が此処に居るんだよ!?

目を覚ますと普通は居るはずがない円堂が居て、ビックリした俺はおかげで眠気が一気に吹っ飛んだ。それと同時に心臓がバクバクと鳴り始め、顔がカアアアと赤くなるのを感じる。

「南雲…ウルサイ」
「何でっお前がっ!俺の部屋でっ!」
「ふわぁああ……ん、良く寝た」
「人の話を聞け!」

んーっ…と先程まで寝ていたのか目を擦りながらむにゃむにゃ言ってる円堂にどう言うことか説明しろ!と一発頭をぶん殴ってやった。

「痛い…!」
「知らんわ!お前が悪い!」
「…うゔっ……あっ!南雲顔赤いぞ!」

大丈夫か?と首を傾げるコイツの頭をもう一発ぶん殴っておく。
顔が赤いのはお前のせいだっつーの!!

「いたたた……」
「で、」
「?」
「どっ、どう言うことだって言ってんだろーが!」
「あー…えっとぉ……」

赤くなった顔を隠すように睨み付けながら聞くと観念したのか、ううっ…と身体を縮こませながら円堂がボソボソと説明と言う名の言い訳を始めた。

円堂の説明(言い訳)を聞くとこうだ。

今日は部活が休みだから久しぶりに俺の家に行こうと思った円堂。
だが普通に行くんじゃあ面白くないと何を考えたのか、俺に内緒でいきなり家に押しかけようとちょっとした悪戯心が芽生えたらしい。
そして実際、俺の家に着いてインターホンを何度も鳴らしたが、全然俺が出て来ないので半ば諦めながらドアノブに手を掛けると開いていたらしいので勝手に家に上がった、と。
そしてそして、勝手に家に上がってあげく勝手に俺の部屋に入ったのは良いが当の俺は爆睡。
起こしたら良いものを何故か起こさず俺が自然に目を覚ますのを待っているといつの間にか自分も寝てしまった……と言う以上が円堂の説明(言い訳)だ。

「って言うことだ!南雲!」
「そんな笑顔で言うことじゃねえだろーが!」
「えぇ…でも、別にいいじゃん、幼なじみなんだし、」
「あのなぁ…幼なじみでも俺は一応男なんだ!」
「……?」

キョトンとする円堂に頭が痛くなった。
長年一緒に居た俺には分かる、今のコイツは何を言ってるのか訳が分からないって顔だ。

「はぁ……まあ良いや、」
「!、許してくれるのか!?」
「いや、許すも何も……うん、」
「さっすが南雲!」

俺の気も知らないでニコニコ笑うコイツに軽く苛立ちを覚えた。
コイツが今日みたいに男の部屋で寝てたら間違いなく襲われる。
俺の部屋だったから良いものの、これがヒロトや風介の部屋だったら絶対襲われているはず。

「お前、襲われなくて良かったな、」
「襲わ……?俺、男だぞ?」
「…これだから鈍感は……はぁ……」
「?」

はぁ、また溜め息が出た。
ダメだ。コイツ本当に鈍感過ぎて話になんない。

「そう言えばさ、南雲、よく寝てたよな!」
「はっ?もしかして俺の寝顔見たのか?」
「バッチリな!南雲の寝顔見てたらさぁー………ぁ、」

いきなりカアアアと赤くなる円堂。
どうしたんだ?と声を掛ければ俺のベッドにダイブして、赤くなった顔を隠すようについさっきまで俺が使っていた枕に顔を埋めた。

「…何でもない」
「いや、何でもない事ないだろ」

何なんだ、一体。
何が恥ずかしいのか急に顔を赤くさせて、可愛いんだよこんちくしょう!

「……南雲のさ、」
「俺の?」
「寝顔が……その、………あ゙ーー!!やっぱり何でもないっ!!」

枕に顔を埋めたまま、頭をがしがし掻いてるコイツの背中に腰を下ろす。
すると、ぐえっ!と何とも間抜けな声が下から聞こえてきた。

「おっ重いよ…南雲…」
「お前がはっきりするまで俺は此処からどかねーぜ」

ニヤニヤと、円堂がオロオロする様子を楽しく思いながら見る。

俺は知らなかったんだ。
この小さな争い?が夜遅くまで続く事を……、


二人の距離はあと一歩


(早く言えよ!もう夜だぞ!いつまで粘ってんだ!)
(イヤだ!絶対言わないからな!!)
(何をそんなに隠す事があるんだよ!)
(だって……!なっ、南雲の寝顔を見てキッキッ、キ、スがしたいって思ったなんて言えないだろッ!!!!)
(………え、)
(……あっ、)
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