※幼なじみ設定
これの続き



予想していたより遅くなってしまった俺は、(途中、母ちゃんに部屋を片付けろやら何やら言われたせいだ、)今、南雲の家の前にいる。

インターホンを押して南雲が出てくるのを待つが、全然出てくる様子がない。ピンポンピンポンピンポンと、しつこいくらい鳴らすがなかなか出てこないので、何処かへ出掛けたのかなと半ば諦めながらも一応ドアノブを掴んで回してみると、なんと開いていた。鍵ぐらいちゃんと閉めろよ物騒な!

玄関を覗くと南雲の靴がきちんと置いてあるので、南雲は家に居ることになる。何で出てくれなかったんだ?と頭の中がハテナマークで埋め尽くされながらも、家へと勝手ながら上がらせてもらうことにした。

階段を昇って廊下を少し歩いて右に南雲の部屋があり、俺は部屋の前でニヤリと一つ笑う。アイツ、驚いた顔した後に恐い顔して"連絡ぐらい寄越せよっ"って怒るんだろーなー全然怖くないけど!そう思いながらドアをそーっと開ける。

「わっ!南雲ー!ビックリしただろ……あれ?」

驚かそうと大きな声を出していた俺だったけど、だんだん声が小さくなっていき、最後にはマヌケな声が出た。

南雲のヤツ、寝ちゃってるよ。しかもたぶん超熟睡。
だから、いくらインターホンを鳴らしても出て来なかったわけだ。うん。
南雲は一度寝るとなかなか起きないタイプのヤツだった。

起こさないようにそーっとそーっと近付く。途中で躓きそうになったけどやっとベットに辿り着いた。

「本当によく寝てるなぁ…えいっえいっ」

プニプニしない南雲のほっぺたを突っつくけど、「ん゙ーーっ」と言うだけで全然起きそうにない。

ふと、南雲の寝顔をマジマジと見てみると、本当に綺麗な顔してるなぁって改めて思った。
長い睫毛、綺麗な肌、筋の通った鼻、薄い唇……。

「あれ、俺何考えてるんだ…!?」

急に自分の考えている事が恥ずかしくなった俺は顔が熱くなった。
だ、だだだだだって!!!!南雲に……!南雲にキ、キ、キキキキキ、キスしたいだなんて!

心臓が潰れるかと思うくらいドキドキしている俺は、ただただ顔を真っ赤にして俯きながら正座して、とにかく南雲のお目覚めを待つことにしました。


綺麗な寝顔に


(今起こしたら)
(顔が赤いのバレちゃうし)
(今起こさなかったら)
(キ…したいなんて思っちゃうし)
(とにかくドキドキが止まりません)
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