わんこと共存?10※

※軽い獣姦表現がございます。ご注意ください。





 真太郎の朝は夕方だ。
 日によって起きる時間はまちまちだが、疲れていることもあって起きた時には、日が沈んでいることも多かった。


「やべ、寝過ぎたか」


 時計を見れば、6時半。バイトまであと2時間もない。
 起き上がれば、なんか水の濡れた冷たい感触がしてゾッとする。


「まさか、てめっ! 布団の中でしょんべん垂れたんじゃねえだろうな!」


 真太郎が怒鳴り上げれば、口の周りに白いものをつけた犬が布団の中からのそのそと出てきた。


「くっそたれ!」


 真太郎は毒づいて、急いで布団をめくる。
 黄色い水たまりを予想していたが、どこにもない。

 真太郎がホッとしたのもつかの間、次の瞬間、自分の目を疑った。


 なんで自分の息子がズボンからはみ出て、朝からこんにちわをしているのか。ズボンの周りに飛び散っていた、白い液体。
 これが冷たいと感じた原因だったらしい。


「なっ!!」


 夢精なんていつぶりだ。

 真太郎が情けなくなりながら呆然としていると、犬はこんにちはしている真太郎の息子を舐め始める。
 犬の口の周りについていた白い液体の正体はこれだったらしい。
 鈴口のところを絶妙に舐めてくる犬に焦り、真太郎は慌てて息子を仕舞った。


 冷静になって考えてみれば、そもそもなんでズボンから息子だけ出して寝ているのか。
 26年間何度も睡眠をしてきたが、こんな状況になった事は一度だってない。


 寝相が悪くてハミチンしました。なんてあってたまるか。


「まさか、これはてめえの仕業とか言わねえよな」

「クゥ!」


 そうですとばかりに瞳を輝かせた犬に、真太郎はげんこつをお見舞いした。


 動物虐待?
 知らねえよ、んなもん。


 こうして、真太郎とわんこの謎の共存生活が幕を開けた。

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