永遠の挽歌 1

 ずっと隣に居たい。
 ずっと側で見守っていたい。
 それさえも叶わない。
 永遠に



永遠の挽歌



 そう、最初は1年の冬だった。


「隆二っ! 俺彼女出来た!!」


 今日は寛の両親が遅いとかで、晩御飯は俺の家で食べる事になっていた。部活帰りに俺の家に来た寛の第一声がそれだった。


「……そっか、おめでとう」


 その反応を絞りだすのに、数秒を要した。
 唐突にきた出来事は俺にとってショックでしかない。

 動揺を隠すかのように、「部屋暖房効いてるから」と、玄関から上がるように促すと、「おじゃまします」といつもの調子で寛が後ろをついてくる。


「寛モテるから、そのうち彼女出来ると思ってたよ。相手は?」

「隆二の方がモテるだろ。相手は3組の三浦さん」

「三浦さんか……」


 三浦さんか。と彼女の顔を思い出す。
 目がパッチリしていて、女の子って感じの子だったはずだ。派手な感じでもなく、クラスでぼんやりとした感じの子だが、女の子っぽさがウケるのか男子には人気があった。


「すごく性格良さそうな子だよね」


 当たり障りのない反応。
 でも、ずっと彼女を欲しがっていた寛にとっては、きっと欲している反応。


「そうなんだ。俺も良いなって思ってたら、今日告白されて」

「そっか、本当に良かったね」

「ありがとう」


 嬉しそうにメールを打つ姿に、胸がチリっと焼ける思いがした。



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