双子の休日
寛人の命日。
隆二や家族と別れた日。でも、俺にとってそれは新しい出会いの記念すべき日でもある。
俺たちの誕生日は小鳥遊家、総出で行われる。
小鳥遊家お抱えのシェフが朝から豪勢な晩餐を用意していてくれて、知り合いの音楽家が来てくれて、リビング―といっても30畳近くある―もパーティ用の飾り付けで俺たちを迎えてくれる。親戚や家族、友人が集まる小さなホームパーティ。
6時過ぎから始まるそのパーティは、日付が変わるまで行われる。
優雅な音楽に包まれて晩餐を楽しんだ後、様々なジャンルの音楽と共に、和気藹々とゲームをしたり、ケーキを食べたり。
小鳥遊家の親戚達はみんなゲーム好きで、こういうイベント事は何事にも本気だから、半端無く盛り上がる。誕生日プレゼントとは別に、優勝商品なども用意されている。勿論、罰ゲームなんかも用意されていて、叔父さんや父様がコスプレをした事もある位だ。
俺たちの罰ゲームは……うん、思い出したくない苦い思い出だ。
寛人の時からだと想像出来ない誕生日会に、最初こそは戸惑いもしたが、3年もすればすぐに慣れてしまった。今では恒例の行事になっている辺り、人間の適応力の高さには驚かされる。
そんな誕生日会も楽しいは楽しい。
だけど、俺が密かに楽しみにしているのが、クリスマスの前の休日だったりする。