平和な朝?
瞼に差し込む光の眩しさに意識が覚醒する。いつもは寝起きが良いはずなのに、今日は酷く身体が怠い。
俺は働かない頭を覚ますべく、ベッドから立ち上がった。
「痛っ」
何処がって?
下半身全体だ。
腰が立たず、その場にへにゃんと座り込んでしまう。
そこで漸く昨日の伊吹との出来事を思い出した。部屋には、伊吹の姿はなかった。中出しだったはずのに、その感覚が無いところをみると、全部綺麗に処理してくれたらしい。身体が汗でベタベタする、なんてこともない。
兄弟なのに、とか。
男なのに、とか。
やってしまった、という想いが俺の中を占領する。
しかし、それも一瞬。
「それこそ今更か」
何が今更なのか、細かく聞かれて論述する自信はないが。
俺は深く考える事を放棄し、立たない腰と足をベッドに手を付きながらなんとか立ち上がることに成功する。
何度か部屋の中を歩き回り、足腰を慣れさせると、痛みが緩和してくる。制服に着替え、リビングに向かった。