人生のやり直し
人生をやり直せたら。
誰だって一度はこんなことを考えた事があるだろう。
今まで俺は、それを全て体現して来た。前の人生での反省点をフルに生かして、同じ轍は踏まないようにした。
それ故、子供らしい遊びなんて、幼稚園の時くらいではなかったか。後は、伊吹とたまにやるゲームや遊び。どちらも俺がすぐに飽きてしまう為、長くは続かない。
そんな生活を子供の時から、ずっと俺と一緒にしてきたのだ。
遊びたい盛りの時のはずなのに、伊吹はずっと俺と一緒に勉強しかしてなかった、という事になる。
最悪な兄だ。これは教育課程上良くない。
俺はそう思い、伊吹に全力で同意を示した。
「うん。良いと思う!」
俺に同意して貰えると思わなかったのだろう。伊吹は「ほんと!?」と嬉しそうに喜ぶ。
「高校って良いよね。俺も憧れる」
懐かしい記憶と共に、蘇る高校生活。
ほとんどバスケ一色だが、最後の冬の思い出も綺麗に頭のアルバムにしまってある。
「あのね、実は……織もそういうと思って、編入の手続き済ませてきちゃったんだ」
「ああ、いいんじゃないか。……って、はあ!?」