告白4
「ありがとう。俺も薫がバスケやってるって、聞いた時嬉しくて舞い上がったよ。どんなプレイをするんだろうってすごく気になったし、一緒に試合したいなって思ってて、薫にバスケ部に誘われてそれが叶った時は本当に嬉しかった」
薫の流れるようなプレイと安心感は他に変えがたいものがあった。
素直にそう伝えれば、薫が「そうか」と頷いて、恥ずかしそうに視線をそらす。
「照れてる?」
「見なくていい」
逸らした視線を追うように覗き込めば、大きな手で目を隠された。
「見せろって」
「見なくていい」
「薫が恥ずかしがる姿なんてそうそう見れないだろ」
「だから、見なくていい」
目を隠す手と攻防を繰り広げれば、なんだか嬉しくなって、ふふ、と笑い声がもれてしまう。
「薫は俺のバスケのどこが好きだったの?」
薫を困らせたいと思って何気なく聞いた言葉だったが、今までの雰囲気はどこへやら急に薫が真剣な表情へと戻った。
「この間の試合の時にも思ったんだが、動作に無駄が無いんだ。いつも最善最短のルートを選んでいて、それでいてシュートの正確さが加わる。スクリーンしても、あそこまで綺麗にフェードアウェイシュートされたら、公式試合だったら精神力もって行かれると思った」
真っ直ぐにそう言われれば、照れ臭さが伝染するかのように、どこかこの状況が気恥ずかしく感じた。