水無瀬家3

 出されたスイカとお茶を食べながら、ソファーに4人座り色々な話をした。

 薫の日常的な生活の様子から、俺の海外留学の事や家族の事。
 薫の家の話も少し聞く事が出来た。

 話によると、家を二世帯住宅へとリフォームしたらしい。昔隣に住んでいた老夫婦が、息子達と同居する事になり、空いた土地を買って新しい家を立てたようだった。
 昔の家と新しい家は、中で繋がっているらしい。廊下の奥へ曲がればそれが見えるから、後で案内するとの事も教えてもらった。

 そうこうしている内に、1,2時間があっという間に過ぎ去り、昼ご飯と墓参りを兼ねて外に出ようか、という話になった。


「墓参り……」


 脳裏に寛人だった時の自分が浮かぶ。
 曾祖父母が眠る墓の隣に、寛人だった時の俺の骨は埋まっているのだろうか。
 そう考えると不思議でならなかった。


「暑いし、ランチ食べたら薫ちゃんと小鳥遊君は家に送るから、墓参りは一緒に来なくて大丈夫よ」


 2人で遊んでて。と笑う雅人のお嫁さんに、俺は首を振った。


「あの、墓参り一緒に行っちゃ駄目ですか?」


 そう言えば、伽耶さんは大きい目を更に大きくした。


「本当に気を使わなくていいのよ」

「や、あの。僕の家、宗派が違うので、日本の墓というのを見てみたいんです」


 小鳥遊の父方の方は生粋の日本家屋という事もあり、知らない訳はないのだが、自分の今の外見上そう言えば納得されるという事は嫌という程知っていた。初対面の人に英語で話しかけられる事も良くある事だ。


「そうなのか? それなら一緒に来るか?」


 薫を見れば、薫は「伊織がみたいなら」と頷いていて、俺は無理を言ってしまった事にお詫びを入れた。


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