出る杭は打たれる?


「嘘!?」
「顔も良くて頭も良いとか、ほんとお前王子様かよ!」
「帰国子女って国語とか古典も出来んの?」
「研究とかしてるとか言ってたから頭良いとは思ってたけど、お前いつ勉強とかしてるのさ?」
「確か、この学校の編入試験ってかなり難しかったんじゃなかったっけ?」


 クラスメイトから来る矢継ぎ早に来る質問に俺は、こんな大々的に暴露した日下を恨みたくなった。


「部活ほぼ無くて、最近勉強ばっかしてたかも。あと、古典は俺の一番苦手な教科だ」


 勉強というか、論文を書いていただけなのだが。
 日本では頑張る人の方がウケが良いのも経験上知っている。


「古典苦手だったんだけど、今回薫が教えてくれたんだ。良い点とれたのは薫のおかげだ」


 自分だけの力ではなく、あくまで助力があったからこそ成し得た。

 そういう風に受け取られる様に話をまとめれば、強ばっていた周りの表情が和らいで行くのが分かった。


「だよなー。古典なんてアメリカじゃやんないもんなあ」


 出る杭は打たれる日本の中では、気を使わなければならない所だ。
 受験戦争という舞台の高校に加え、勉学が物を言うシビアな学園内で軋轢を起こさない為には特に、だ。


「まあでもこれで、小鳥遊の印象変わるかもな」

「あーそうかも」


 と口々に皆が談義を始める。


「え、どういう事だ?」


 不安になってそう聞けば、苦笑したように周りが笑った。

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