神様は不公平
神様は、なんて不公平なんだろう。
靱帯断裂の時も、今も、誰かのせいにしなければ、心が死んでしまいそうだった。
長く続いた俺の微熱の原因が分かったのは、あの後兄貴に引きずられるようにして行った病院での、検査後入院させられてから、一ヶ月経ってからの事だった。
微熱如きで入院なんて。
そう不平を漏らしながら、病院にある本を読み漁っていた時に、たまたまある資料を読んだ事が原因だった。
医学向けの雑誌。医学教授同士の対談で、話してた患者の症状がまるきり俺と一致していたのだ。
長引く微熱。
気怠い身体。
増える青痣に、治りにくい傷跡。
冷静に考えれば、それが何を導くのか一般的知識でも分かるはずなのに、まさか自分がその病気に犯されているなど思うはずもない。
思えば、仕事ばかりだった両親が仕事に休みをとり、俺のお見舞いに来たり、兄がうざい位に俺に構う様になったのはいつからだったか。
入院してから、毎日プリントを届けにくる隆二は?
いつにも増して、腫れたものを触る様な風ではなかったか。
それが全部この病名と、病気の行く末なら納得出来た。