* 未定 *
私の友達に、変な人がいる。
「はぁ?意味わかんないんだけど」
「やっぱりお前にはわかんないか」
「うっざ」
「「ふんっ!」」
それぞれは…まぁ、それなりに癖はあるけど、いい人。それなのに、二人で話すとなると途端にケンカになる不思議な人。
「今度はなんだって?」
「趣味悪いって言われた」
「あー、」
「ホントなんなのあいつ。事あるごとに絡んできてマジでウザいんだけど」
不思議の1は、今彼女が言ったようにケンカになることがわかってて話しかけるところ。
毎回必ずケンカをしてるわけではないけど、気付いたら冷戦を繰り広げてる、なんてこともある。
「くっそムカついたから「爽やかぶったチャラは即刻黙れ」って言い返してやった」
「なんでそこで言い返すかなぁ」
「やられっぱなしはムカつく!」
「はいはい」
向こうも同じ思考回路なんだろう。
少なくとも彼女より頭がいいのに、どうしてこんな頭の悪い方法を取ってるのかいまいちわからない。
「他の女子にはヘラヘラいい顔しやがるくせになんでいつも私にはケンカ腰なんだっつの」
「あら、優しくされたいの?」
「そんなんじゃない。毎回イライラさせられるのも疲れるってだけ」
瞬間湯沸し器の如く怒髪天を衝いていたらそうもなるでしょうよ。
「流してみたら?」
「もうやったよ。でも「拾い食いでもしたのか?」とか本気で心配されたから殴った」
彼の言い方もあるけど、すぐに手が出る彼女もどうかと思ってしまうのは仕方ないだろう。
「この間は教科書取られたの忘れて私が忘れ物したみたいになった」
「そんなこともあったねぇ」
「その前は私のチーズ蒸しパンパクっていきやがった!好きでもなんでもないくせに!」
食べ物の恨みは恐ろしいと言うけど、教科書は貸したの忘れないようにすればいいのにとも思った。わざと返さない可能性もあるんだから。
そもそも、
「なんで教科書貸したのよ」
「取られたの!次は私が教科書借りパクしてやる」
「教科書は返してあげて」
…ケンカするほど仲がいいって事なのよね、きっと。