▼負けず嫌い庭師×無知ぼっちゃま
負けず嫌い庭師×無知ぼっちゃま
「ぼろん、して? おちんぽぼろん、して?」
「いや……そんな、か、勘弁したってください」
「おちんぽ、ぼろん……して?」
困った。大変困った。
雨の中庭園をフラフラ歩いていたぼっちゃまを、雨宿りのために納屋に招待してから数十分。
彼の目の前で着替えたのがいけなかった。俺の身体(ぼっちゃまに喜んでもらうために庭の整備をしていたら、自然と筋肉がついた)を見た彼は、まんまるの瞳をキランと輝かせたのだ。
「すごいね、庭師さんの身体。南条よりもかっこいい」
「えっ……あ、あの執事さんよりも……いや、そんな……お、俺なんか、大したことあらへん、です」
「きっとおちんぽもすごいんだろうなって、ぼくは思うのであった」
「な……っ!」
外は大雨、そしてここは逃げ場のない密室。ぼっちゃまは俺を部屋の隅まで追いやって、「おちんぽ、ぼろん!」ちんぽを見せろと迫ってくる。
「ぼく、大きなおちんぽがぼろんするところ、見たいんだ」
「あ、あかんって……あ、ちょっと、ぼっちゃま、こらっ……」
「ぼ・ろ・ん! ぼ・ろ・ん!」
おぼっちゃまという存在は、偏見かもしれないが、高飛車だったり優雅だったりするものだろうと思っていた。
なんせ俺は、これまで、自らが仕える家のぼっちゃまに会ったことがなかったのだ。作業着をドロドロにして働く俺と、きれいな環境で育つ彼とは、まるで接点がなかった。
「庭師さんのおちんぽは、ぼろんしたいって言ってるよ。ぼくには聞こえるよ」
「そんなわけが……や、やめえ、脱がすんやめえって……! あんまり田舎者をからかわんといてください」
だから知らなかったのだ。ぼっちゃまがちんぽヤクザであった事など。
そして彼は、近くで見ると小さくて、肌がつるっつるで、「ぺくちゅ」子猫みたいなくしゃみをする、非常にかわいらしい生き物であることも。
「うう、雨で冷えてしまったよ……ぺくちゅっ」
「大丈夫、ですか。お、俺の作業着しかないけど……着替えますか。ぶかぶかじゃけど」
「今だ!」
「うおっあぶなっ!」
雨に濡れた彼を気遣い、着替えを渡そうとしたその時だ。目にもとまらぬ早業で俺のズボンをずり下し、ちんぽを露出させようとしてきた。
「あかんって、ほんまに……なんでちんぽなんか見たいんや……」
「ふーん、南条なら見せてくれるのに……ぼろんっ て、してくれるのに……」
「えっ」
「ふーん……じゃあいいや、帰ったら南条に孕まセックスもしてもらおう」
「なっ」
――――はらませっくす……? 何じゃその不穏な言葉は……ぼっちゃまは執事にはらませっくすされとるんけ……?
「いや、それはあかん。ぼっちゃま、あの執事はあかん」
俺は彼が嫌いだった。ぼっちゃまが庭園の草花を鑑賞している時、奴は植物に何の関心もないといった顔で、ぼっちゃまの尻を撫でてばかりいる。
別に庭園に興味がないのは勝手だが、鑑賞を楽しむぼっちゃまの邪魔をするのは、気に入らないと常々思っていた。せっかくぼっちゃまが俺の作った庭園を見てくれているのに、あいつはいつも邪魔をする――――
「……俺がちんぽ出せば、執事さんとはらませっくす……やらんのか」
期待に満ちた彼の瞳が、一心不乱に俺の股間を見つめている。透明感のある桃色の唇が、まるでちんぽを吸うようにすぼめられたり、半開きになったりしている。
「……じゃ、じゃあ、ぼっちゃま、よく見といてや……」
俺は彼の望み通り、ちんぽが勢いよくぼろんっ と飛び出すよう、下着をおろした。
***
「んちゅっ はむ ちゅぱ、ちゅぅ……っ」
「……っ、く…… み、見せるだけと、ちがうんか……っ」
やはりあの唇の動きは、そういう事だったのだ。
子猫がミルクを飲む時のように無邪気な顔で、ぼっちゃまはちんぽに吸い付いてくる。
「んむ、んむぅ はふっ んん、おいひい…… 南条よりも、おいひいかも、しれない……」
「えっあの執事よりも?」
「んぶっ はふ、はふぅ…… んっちゅっ ちゅっ んふ……っじゅるっ じゅるっ」
「う、お、ぁ……っく、ぅ……っ」
いかん。あの執事と比べられると、どうも競争心が出てくる。だが俺はしがない庭師、この方はおぼっちゃま。本来こんなことをしてはいけないのだ。たとえ彼が望もうとも。
「ん、んぅ ふぅ…… おおきな、お・ち・ん・ぽ……」
「っ、う、ぼっちゃま、もうこれでおしまいや、おしまいですよ」
タマの方まで舐めてくる彼を引きはがし、俺はこれ以上はだめだ、と言い聞かせる。彼に、そして自分に対して、そう言い聞かせた。
ぼっちゃまは不満そうに唇を尖らせ、俺の方に尻を向けた。もちろんぱんつを脱いだ生尻である。白くて、触らなくてもふわふわしているのが分かる。
彼が少し動くと、ぷるるん ぷるるん 柔らかい肉が揺れていて、俺はたまらず喉を鳴らした。
「ふむ……でも、南条の方が、つよつよおちんぽだったかも……」
「えっ」
「南条なら、ぼくがこうしておしりをだしたら、はめはめ、ぱんぱん、してくれるんだけどなぁ……」
「っ……」
魅惑の白い尻が、じりじりと近づいてくる。
彼はチラチラと俺を窺って、とうとう尻を押し付けてきた。
「南条だったら、もっとすごいのになあ……南条は、もっと、もっと……」
「お、俺が、あの執事に負けてると……?」
「ふむ……よく見たら体も、ちんぽも、南条の方が上かなあ。南条の方が、南条の方、が、あっ」
「……っ、俺の、方が……! 俺の方が上や……っ」
ずぷん……っ
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