性格の悪い後輩×高飛車上司

性格の悪い後輩×高飛車上司


※おしっこ
※お漏らし
※小スカ
※しーしー



 繁忙期、真夏。地獄の営業回りもようやく終わりが見えてきた。

「はあ、やっと最後っすね……」

 暑さもそうだが、厳しい上司と一日中隣り合わせというのがなかなかに堪えた。

 車内はクーラーで冷え切っているが、鈴見さんの視線はもっと冷たい。俺の一挙一動を氷のように鋭く咎めてくるのだ。そのプレッシャーで無駄に疲れている気がする。

「なんです、その嫌そうな顔。名雲くん、有名な大学を出ているからって社会を舐めているでしょう? いいですか、お客様の前では……」
「はいはい……」
「ふんっ……まったく、これだから新人を連れて回るのは嫌なんです……ほら、行きますよ! ああそうだ君、出されたお茶は飲み干しなさい。よく残していますよね。あれ、ダメですから」

 セミの声に負けじと小うるさい彼だが、これも社屋に入るまでの辛抱だ。
 客の姿が見えた瞬間、鈴見さんは嘘臭い笑顔で「今日も暑いですね!」と人が変わったように愛想を振りまき始める。




 応接室に通され、本日5杯目の茶を出された。後で小言を言われるのだろうが、俺は手を付ける気が起きない。

 移動中こまめに水分を取っているし、今みたいな繁忙期にすべての客先で茶を飲み干すのはつらい。何より疲れていた。コップに手を伸ばす気力すらなく、商談が終わるのをヘラヘラと適当な表情でやり過ごす。

「ええ、ではそちらの方向性で……えっ? スイカですか? そ、そんな、悪いです……はあ、ではお言葉に甘えて頂きましょうか。ね、名雲くん」
「え……あー……ハイ……」

 そういえばここの客はいつもそうだった。鈴見さんを気に入っているのか、来るたびに菓子や果物を出してくる。田舎の近所のおばちゃんかよ、と内心で悪態をついた。

 甘い物が嫌いな俺としては有難迷惑なのだ。話が終わったのなら早く帰りたい。無駄に時間を取らせやがって――その思いが顔に出ていたのか、隣に座る彼に太ももをつねられる。

「わあ、美味しそうですね、いただきます……んん、甘い! ほら名雲くんも頂きなさい」
「はあ、すみません俺甘いの無理で」
「な”っ、名雲てめ……っんん、そうですか、では彼の分も頂こうかな。ふふ、本当に暑くてヘトヘトでしたから……ん〜〜、生き返りますね!」


 おそらく鈴見さんもそれほど甘いものは得意ではない。額に青筋を浮かべながら必死に笑みを作って、無理をしているのがバレバレである。

 嫌なら断ればいいのに。そんなに大事なのだろうか、彼の言うマナーとかいうやつは。なんて言ったらこの後の帰り道が怖いからやめておくが。

「ご、ごちそうさまでした……ああそんな! とんでもないです、ええ、またよろしくおねがいしますね。ええ、失礼いたします」


 ようやく終わった。さて、後は彼の小言を聞き流しつつ会社に帰るだけだ。叱られるのはもう慣れたし、適当に頷いていればいい。



 エンジンをかけて前方を確認し、アクセルに足をかける。

「んじゃ、来た道戻るんで」
「っん……」
「1時間くらいっすかね……鈴見さん?」
「はぁ……っ、ん……ん……っ


 早く帰りたい気持ちからか、強めにアクセルを踏んでしまった。ブォン、と加速する車体。また小言が飛んでくる、と一瞬身構えたが、聞こえてくるのはセミの鳴き声だけだ。


――――おかしい。なぜ黙り込んでいるのだろう。


 言葉も出ないほど怒っているのか? いや、重箱の隅をつつくのが趣味の彼に限ってそれはない。

 シンとした空間に耐えかねてラジオをつける。彼が嫌いなレゲエが流れ始めた。いつもなら「こういうのはやかましいだけで中身がないから嫌いです」とか言ってオーディオをオフにするのに、今日はそれすらない。

「あのー……そんなに怒ってます? でも仕方なくないすか、俺甘いのダメなんすよ」
「……それは、んっ、後日、叱りますから……っあ、コンビニ……!」
「へっ? すみません、通り過ぎました。もう高速入りますけど、何か欲しかったんですか」
「い、いいえ。別に、我慢できます……っ」
「はい……? げ、渋滞」
「えっ」

 ETCを潜り抜けてすぐ、ブレーキランプの光がやけに多いと思ったらこれだ。
 ぞろぞろと並んだ車たちは微動だにしない。その最後尾に着いて、ブレーキを踏む。

「あちゃー、この感じだといつになるか分からないっすね、会社着くの」
「そ、そんな……」
「鈴見さん?」

 レゲエソングが終わり、夏らしいアップテンポなアイドルソングが流れ始める。これも彼が嫌いな曲調だが、鈴見さんは何やら深刻そうな顔で俯き、曲どころではないらしい。

「大丈夫っすか? もしかして体調悪い?」
「な、なんでもありません! ん、き、気にしないで、ください……っ」

 濃紺のスーツに包まれた太ももをもじもじと擦り合わせ、落ち着かない様子で汗を拭っている。確かに外は暑いが、車内はクーラーが効いているのにあの汗の量は何だろう。

「ふ、ぅ……っ っく、ぅ……っ

 股間を押さえつけるようにハンカチを握るその姿。口数が減った余裕のない表情。

 ピンときた俺は、つい揶揄うような声を出してしまった。


「もしかして、漏れそうなんすかぁ?」

 その瞬間、日焼け知らずの白い肌がカーッと赤く染まる。

「……っ、うるさいですね! 誰かさんと違って私は、出されたものは飲むし食べるんです! ぁ、ん、ぅ……〜〜〜〜っ、あぁ……っく、こっちを見るな! 運転に集中、しなさい!」
「社用車で漏らさないでくださいよ」
「漏らしません! 子供じゃあるまいし……っ、はあ、は……っ、ん……っ


 車がゆるゆると動くたび、彼は下唇を噛んで悶えている。出されたものを馬鹿真面目に全部飲み食いするからだ。今日は特に多忙でトイレに行く暇もなかったし、ずっと我慢していたのかもしれない。

 そういえばスイカには利尿作用があると聞いたことがある。ただでさえ大量の茶を飲んでいたところにトドメを刺されたのだろう。


 羞恥と焦りで歪んだ顔を見ていると、何故か頬の緩みを抑えきれなくなってきた。

「はぁ…………っ、ぅ ん…………っく

 何だろう、このゾクゾク感。いつも強気な人が見せる弱々しい喘ぎ声。涙目。

――――嘘だろ、ちんぽ痛え……疲れマラ……ではない。興奮しているのだ。高飛車な上司のお漏らし我慢顔に。

「くくっ……ちょっと鈴見さん、喘がないでくれます?」
「うるさいですね、喘いでなんて……っ ち、ちが、うぅ……っん だって、も、もう、あ、あぅ……っ〜〜〜〜あ
「マジで? もう限界っすか?」
「黙りなさい、黙りなさいぃ〜〜っ あ、ん、車、進みましたよっ早く、早くっ

 進んだと言っても動けるのは数メートルだ。ブレーキから足を離したのも一瞬で、またすぐに踏む。

 カクン、という僅かな衝撃が彼にとっては大きなものだったのか、「んあぁあ"っ」と情けない声を上げ、喉を後ろに反らしている。

「あ、あ、あ……っ、もう、もう、んぅ……っ うう、ううぅ……〜〜っ

 汗だくの顔で股間を押さえ、太ももをバタバタと揺らし始めた。本当に限界なのだろうか、だが周囲を車に囲まれている今、どうすることもできない。

「あは、鈴見さん。そうだ、窓からちんぽ出してしちゃえば」
「馬鹿っそんな事できるわけ、んぐ 何、笑ってるんですっ、あ、ぅ……っ 早く、早く進みなさいっ! 早く、早くぅ……っ
「無茶言わないでくださいよ」
「名雲く、ぅう も、だめ、だめです……っ ん、あぁあ〜〜……っ お願い、お、ねがい、お願いです、誰にも言わないでぇ……っ

 切羽詰まった声、激しくバタついた両脚。場違いともとれる陽気な音楽。

 彼がピタリと動きを止めると、騒がしかった車内が音楽だけになった。

「ふ、ふぇ、うぅう〜〜っ……くぅ、うう〜〜〜〜っやだやだやだぁ……っ


 涙を溜めた目を瞑り、鈴見さんは太ももをぎゅっと閉じて喚くのをやめた。

「……ひっく、ぅ、くぅ…………っ
「うわ、まじか。漏らしたの? 漏らしてんの? ねえ鈴見さん、なんか股のところ、ホカホカしてますけど」
「う、く……っ うう、ぅ、っ……

 ジワァ…… と、濃紺のスーツの色が濃くなっていく。シミの広がりは止まらない。スーツの中を伝って、ぼたぼたと足元に落ちていく音も聞こえた。


「……ははっ、鈴見さん、おしっこ漏らしたぁ ションベンくせえ……


 いつも偉そうに叱り付けてくる彼が。

「……っ う、ううぅ〜〜……っ

 プライドの高い彼が。

「はは……っ 28歳にもなってお漏らしって 恥っずかしい人ぉ
「っ……名雲くん……」

 くだらないマナーを厳守する彼が。

「あの、その、私がお漏らししたなんて、会社にはとても言えないですし……っ 今度美味しいものをご馳走しますから、その……お漏らしの罪、か、被ってくれませんか……っ上司の顔を立ててくださいよ、たまには、ね、お願い……っお願いです!」
「ははは、嫌でーす」

 そもそもこの車にはドライブレコーダーが付いている。運転者の顔も映っているのだから、そんな馬鹿なことは通用しない。

「てか鈴見さん最低ですね、後輩に罪をなすりつけるとか」
「だって……! う、うう、社用車をおしっこで汚したなんて私、う、うう……っ お願いです名雲くん、本当にお願いです!」


 おしっこで濡れた下半身を隠すように、彼は上半身を前に折りたたんだ。膝を抱えて泣いているようにも見える。

「はは……っ かーわいいっすね鈴見さん、ほんっと、馬鹿で……

 俺はハンドルから手を離し、ベルトとジッパーを緩める。下着をずらせば、膨らんだちんぽが勢いよく飛び出してきた。

「っ……な、な、な、え……っ名雲! いい加減にしなさい、どこまで私を馬鹿にするんですか! 早くそれをしまいなさい! き、君までおしっこするんですか!?」
「しねえよ。てか、馬鹿にしたくもなるでしょ。おしっこ漏らしてる時のアンタ、超傑作だったし」
「く……っう、うう……どうしても、だめですか? 美味しいもの食べさせてあげますから、お願いです名雲くん、お願い。でないと私の出世コースがぁ……っ」
「うーん、俺の条件飲んでくれるなら、考えてあげてもいいっすよ」


 そう告げた瞬間、彼はハッとした表情で生唾を飲み込んだ。

 普段はネチネチと小うるささを発揮するだけの観察眼だが、察しのいいところは嫌いじゃない。

「わ、わかりました…… お願いですよ、私がお漏らししたことはどうか、内密に……ん、んぅ……っ

 じゅぷ……っ
 じゅるっじゅるっじゅるっじゅるっ


 車が動かないのをいいことに、しばらくは彼の口まんこを楽しめそうだ




 next→





 ←index ←home


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -