童貞警官×女王様♂ビッチ

童貞警官×女王様♂ビッチ


 痴漢事件が多発しているから、駅の見回りをして来いと命じられた。

 もし犯人を捕まえれば、警官人生初の手柄という事になる。気合を入れるために両頬を叩いて、周囲を見渡す。


「うお……すげえ美人……」

 俺の目の前を歩いて行った、今の美人――よく見ると男だったが、あまりの色気に一瞬仕事を忘れ、見惚れてしまった。

 こんな調子では犯人を捕まえることはできない。気を取り直して周囲を警戒するが、やはりさっきの彼が気になり、目で追ってしまう。

「あ……新宿方面に行くのか……」


――――そういえば、この駅の17時の新宿方面行、三両目でよく痴漢が出るって前情報だったな。


 彼ほどの美人なら、たとえ男でも痴漢の被害にあうかもしれない。俺は刑事の勘(といってもまだこの職に就いて数か月)を信じ、彼の後を追った。

 それにしても、後姿だけでもとてつもない色気だ。スーツの尻から太ももの部分にかけて、むっちりと肉が張っている。だが腰や首は細く、髪はさらさらと舞う知的な黒色だ。

 危ない。あんな美人は痴漢に狙われてしまう。俺はそう確信し、彼の真後ろをキープしたまま車両に乗った。
 制服のまま来てしまったせいか、周囲の人々は落ち着かない様子でこちらに背を向けた。


 時刻は17時ジャスト、そしてここは三両目。偶然かもしれないが痴漢発生の条件と重なっている。俺は彼を見つつ、周囲に不審な者がいないか目を光らせる事にした。

「ねえ、おまわりさん」
「へ……あ、は、はい! どうされましたか!?」

 彼だ。俺のすぐ前でスマホを弄っていたはずの彼が、こちらを見上げて首を傾げた。

「何かあったのでしょうか、おまわりさんがいるという事は」
「いえ、すみません驚かせてしまい……最近ここらで痴漢が出るようなので、見張っているだけですよ」
「そうですか、痴漢、ね……」

 見た目だけでなく、声も美しい。すこしハスキーなところがたまらない。喘がせたい――いや違う、俺は彼を痴漢から守るのだ。俺自身が痴漢みたいな思考になってどうする。

「わっ……!」
「っと、危ない」
「ふふ、ありがとうございます……んっ すみません、密着しちゃって……
「い、いえ、自分は全然大丈夫なので!」

 急に揺れたせいか、彼が俺の胸板に倒れこんできた。華奢な見た目だから踏ん張りがきかないのかもしれない。華奢な体をガンガン犯したい、って違う違う。俺は警官であって痴漢ではない。こんなふしだらは発想は許されない。

「おまわりさん、ここ……なんだか、硬い……
「え……っ あ、いや、その……っ
「ん…… ごめんなさい、手が挟まってしまって……

 彼の手が、俺の股間にべったりと張り付いている。さっき車体が揺れた時にそうなってしまったようだ。だが胸同士が密着しているせいで、腕が抜けずに困っていらっしゃる。

「あ、あの、そんな無理に抜こうとしたら、うっ お怪我、してしまいます……っ
「でもここ、おちんちん、でしょう?」
「そっ……! そう、ですけど」
「おまわりさんの、おちんちん……触ったりしたら僕、逮捕されちゃうじゃん…… あれ、また硬くなった


 この場合逮捕されるのは俺ではないのか。メス臭がぷんぷんする美人リーマンに(不可抗力とはいえ)ちんぽを触られて、しかも吐息たっぷりのセクシーボイスで「おちんちん……」なんて言われて、ギンギンに勃起している俺は逮捕案件じゃないのか。

 いや、しかし、俺がちんぽを押し付けたわけではない。「大丈夫ですよ、逮捕なんてしません……う、し、しませんから、あ、ちょっと、無理に動かさないでっ」周囲の人たちは俺に背を向けたままだが、きっと俺たちのやり取りが聞こえている。
そして彼もそれを分かっているので、小声で「おちんちんが……かたぁい……」と囁くように言ってくれるのだが、かえってそれがちんぽに響く。


「ふふ、どんどん硬くなってる…… ほら、むくむくって、ズボンの上から分かるくらい大きく…… 僕のせいかな。ごめんなさい、おちんちんをむくむくさせてしまって……
「わ、わかった、わかりましたからこれ以上誘惑しないで……っ
「おまわりさん、このままだと……ぴゅっぴゅ、しちゃうんじゃねえの……

――――本当にぴゅっぴゅしてしまいます……!


 俺は歯を食いしばりながら必死で耐えた。実家の両親と祖父母の顔を思い浮かべながら必死であそこを萎えさせ、深呼吸をする。

「う……っ

 深く息を吸いすぎた。彼のフェロモンがたっぷり混じった甘い匂いを吸い込み、脳から火でも出そうだ。


 下半身を鎮めるのに必死で、俺は気が付かなかった。彼が悪い顔で舌なめずりしていたことを。


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