むちむちマネージャー総受け

むちむちマネージャー総受け

※衆人環境




「うーん……ちょっと太ったかな」


 怪我のせいでボールを蹴れなくなり、マネージャーとなって数か月経つ。

 あんなに頑張って鍛えた筋肉はすっかり細くなってしまった。手足、腰、胸には、男らしさの欠片もないぷにぷにした脂肪がついている。肥満体型とまではいかないが、選手たちと並ぶとだらしなく見えるだろう。


 寮室に自分しかいないの良い事に、裸になって姿見の前に立ってみる。俺のおしりはこんなに丸々としていなかったはずだ。おしりの下に手を入れて、お肉をグイっと持ち上げる。そうそう、以前はこのくらいだったはずだ。

「うーん……運動不足かなあ」
「おい、なんて格好してんだよ」
「なっ、那智さん……っ俺なにも見てないですからっ!」

 もう俺が着るとこのないユニフォームを纏った二人は、気まずそうに視線をそらしながら部屋にあがってきた。鏡に夢中で、扉の開く音に気付かなかったのだ。

 呆れた顔の先輩と恥ずかしそうな顔の後輩。親しき中にも礼儀ありといえど、同じ部屋・部活で生活する者同士、裸なんて見られても俺は今更気にならない。

「おつかれさまです。あ、若野、鼻血が……」

 ティッシュ片手に駆け寄ると、前屈みになった後輩は「違うんです!」と首を振った。

「あ、あっいえ、すみません! でも違いますよ、今日の練習がハードで! 雨だからって、筋トレがハードで! けして先輩の裸の興奮したとかでは」
「おいで、拭いてあげる。日高先輩、先にお風呂どうぞ」
「わああああ那智さん、あの、服を……き、着てください!」

 共同の大浴場はすでに掃除を済ませてある。俺は若野の鼻を押さえながら、日高先輩に着替えを渡した。

「……那智、お前少し太ったか」
「は、はい。恥ずかしながら」
「ふーん……まあ俺らも梅雨の間は思うように練習できねえし、不完全燃焼ではあるんだが」
「でも筋トレしてるでしょう?」

 二人とも、服の上からでもわかるくらいには筋肉が隆起している。日高先輩はきれいな逆三角体型で、肩幅が大きく腹回りが引き締まっている。
 若野はまだ一年生だから先輩に比べると未成熟だが、ふくらはぎや太ももの張りが美しい。

「那智さん、も、もう鼻血、止まったんで」
「うん。じゃあ、ごろんして? 先輩がお風呂中、マッサージを……」
「いや、その、いいです! マッサージされるほど運動してないし、室内トレーニングばっかでムラムラして……あ、その、ムラムラって変な意味ではないんですが!」

 以前から思っていたが、俺は若野に嫌われているのだろうか。どうも避けられている気がするし、最近はマッサージもよく断られる。

 マネージャーとして選手のサポートができるよう、筋肉の付き方やもみほぐし方を勉強したし、実践で使いたいのだが――嫌がられてまでするものではないから、俺は大人しく身を引いた。

「那智、俺ら全員運動不足らしいな」
「ええ。梅雨の時期ですから、仕方ないですね」
「筋トレにも飽きたし、別の運動しないか」
「もちろん。俺に手伝えることなら」

 三年生がさっさと風呂を済ませてくれないと下級生がいつまでたっても汗臭いままだ。だからさっさと入って来てください、の意を込めて着替えを押し付けると、日高先輩は告げた。

「セックス、するか」



***




 選手たちの性欲管理も、マネージャーの大事な仕事だ。
 たとえば射精が早すぎるとか遅すぎるとか、勃ちが良いか悪いかとか、乱暴かねちっこいか等々、セックスをすれば選手のコンディションが色々と分かる。

 疲れていたり悩みがあったり、はたまた絶好調だったり……俺はセックスは恥ずかしくて正直苦手だが、先輩命令だし、皆運動不足で悶々としているだろうし、と自分に言い聞かせ、頷く。

「えーっずるいですよ、日高先輩だけ」
「お前もヤりたいなら来れば」
「でも風呂でヤるんでしょう? 三年の風呂の時間に……乱交になったら俺、絶対遠くでシコるはめになるじゃん」

 鼻からティッシュを引き抜いた若野は、俺が相手でなければフランクに話す。でも俺とセックスはしたいようだし、結局のところ嫌われているのか好かれているのかよく分からない。

「若野、あの……じゃあ、一番最初にハメハメする? 俺、おまんこの準備はもうしてあるから」
「え……っ! い、いいんですか、じゃあ」
「おい、年功序列だろ」
「そういうのって古いですよ、日高先輩」


 大浴場に向かうため、俺は素肌の上にジャージを着こんだ。これからすぐ脱ぐのだから、ちゃんとした格好をする必要はない。

「な、那智さん、それだと帰り道ノーパンですよ……っ」
「だって……どうせ、部屋に帰ってもするんでしょう? お前、いつもそうじゃん」
「それは……まあ」


 目的地に向かうまでの廊下は、いつも皆ソワソワしている。口数が無駄に多かったり、かと思えば沈黙が訪れたりする。
 日高先輩が廊下のど真ん中でキスをしてきた。負けじと若野が、背後から抱き着いて首筋を舐めてくる。

 ああ、始まるのだ。今日もまた、マネージャーの仕事が――――


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