童貞編集者×童貞漫画家

童貞編集者×童貞漫画家



「え、大和くんって童貞なの……」


 これはまずい。非常に困った。

 新しい担当編集の大和くん(27)は、なんと童貞さんらしい。今しがた挨拶を済ませた後、言いづらそうにカミングアウトしてきた。


「は、はい……! だめ、ですかね。エロ漫画の編集が童貞だと」


 だめではないのだが、できれば非童貞、なんならヤリチンくらいの方が僕としては助かる。

 なぜなら僕も童貞(28歳なのでまだ大丈夫だ大丈夫にきまっている)だからだ。
 実体験がないまま描いているので、どうしてもおかしな描写をしてしまう時がある。そこを編集さんに修正してほしいのだが、二人とも童貞となるとそうはいかないだろう。

「うーん……どうしようかなあ……」
「あ、あの……俺、先生の作品はすべて拝見しています! 先生の作品でしか抜かないし! 今日もお会いできると思ったら興奮して、ずっと勃起しています!」
「勃起はおかしいでしょ」


 熱意はありがたいが、エロ漫画といえど商品。売り物である以上は当然、市場のニーズに応えなければならない。

 エロ漫画には求められるものの一つ、それはリアリティだ。童貞の僕では本来描けないリアルの部分を、これまでは編集さんに助けてもらっていたのだが――――「お願いです! がんばりますから! 精液とろり先生!」「呼ぶときは吉野でお願いします」


 大和くんには悪いが、彼はエロ漫画の編集者には向いていないと思う。これまでのヤリチン編集者ズと違い、ピュアで善良な雰囲気だからだ。

 彼はもっと、少年誌とか絵本とか、硬派な部門に移動した方が良い。

「えっと、悪いんだけど……別の編集さんに、変わってもらおうかな」
「……そうですか」


 意外とすんなり分かってくれたようだ。僕はホッと息を吐き、「せっかく来てくれたのにごめんね」と言いながら、編集部に連絡するためスマートフォンを手に取った。


「じゃあ、今ここで童貞捨てます」


 手に取ったスマホを奪われ、僕は床に押し倒された。




***




「な……っ な、んで……っ こんな、事にぃ…… んあっ
「ふふ、かわいいですよ、精液とろり先生
「吉野っ 呼ぶときは、吉野っ


 ぱちゅんっ ぱちゅんっ ぱちゅんっ ぱちゅんっ
 ずちゅっ ずちゅっ ずちゅずちゅずちゅずちゅっ

 これまで色々なシチュエーション、色々なプレイを描いてきたが、この展開は予想外だった。

 大和くんが不穏なことを言った瞬間、もちろん僕は逃げようとしたのだが、運動不足のせいかうまく動けず、あっさり捕まってしまったのだ。

「はぁ……っん くぅ……っん っ〜〜〜〜……ん、ん、ぁ……っ
「はあ、はあっ 意外です、あんなに淫語まみれの漫画描いてるのに、先生はえっちの時、っふ、静か、ですねっ
「……〜〜ん、ぅ……っ ひっ ぁ、ん…………っ
「でも、はあ おまんこは、しっかり、っふ、締まってるので、はあ 感じてないわけじゃ、ない、ん、ですねっ


 ぱんっぱんっぱんっぱんっ ぱんっぱんっぱんっぱんっ

 ピストンに合わせてセリフを区切ってくるのがイラつく。大和くんは自分の腰を動かさず、僕の腰を動かしてくる。まるでオナホ扱いだ。

 その身勝手さからして、彼は本当に童貞なんだなあ、と思うと、なぜかお腹の奥がキュン と……なっていない。断じてなっていない 

「んぅ、はあっ っく、〜〜〜〜……っ……っ……っ
「先生、俺、もう童貞じゃないです だから先生の漫画、編集、できます それとも、ただの非童貞じゃ足りないですか、ヤリチンになった方が、いいです、かっ」

 ぱんっぱんっぱんっぱんっ ぱんっぱんっぱんっぱんっ

 ヤリチン、そうだ、ヤリチンになれと言おう。そうすれば彼は、僕じゃない相手とズッコンバッコンやりまくり、すなわち僕は解放される。

「あ、ぅ、やりちん、なってぇ…… はあ、あっ あっやめ、あっ
「わかりました はあっ 先生をあと、100回くらい抱いたら、ヤリチン、名乗っていいですよね、そんなにえっちしたら、ヤリチンです、よねっ はあっ はあっ
「な……っ! ん な、ん、でっ あっ そう、なりゅ、んぁあっ……


――――なぜ僕しか抱かないつもりなんだ……!


 どちゅどちゅ と激しく突き上げられて、頭がおかしくなってきた。誇り高き童貞である僕は、女の子のおまんこで脱童貞をしたかったのに 初えっちをしたかったのに それなのに、何が悲しくて他の童貞の卒業のお手伝いなんか……っ

「あっ……! あ、ぁ、ん…………んぅ……っ……ん、っく……っ〜〜〜〜
「我慢、しないでいいですよ 先生、精液先生、精液とろり先生
「……っ よし、の……っ
「先生のペンネーム、好きなんです…… はあ、俺も、先生のおまんこに中出しして、そんで、はあっ 精液とろりしてるところ、見たくて はあ、はあ……っ


 こいつ、僕の漫画でしか抜かないと言うのは嘘ではないようだ。
 何を隠そう、僕はペンネームしてしまうくらい精液とろり現象が大好きなのだ。中出しされたおまんこから、とろり…… とろり…… と精液が零れるのが性癖で、よく描いているから、きっと彼も、その影響を受けている

 僕が、大和くんの性癖をおかしくしてしまったのか…… いや、これは誇らしく思うべきだろう エロ漫画家冥利に尽きる、っておかしい、おかしい、なんだか僕、絆されていないか…… あっ こいつ、射精する気だ パンパンする速度が、速い、速い、速くなってきた、速すぎるっ

「ぅ、〜〜〜〜 ん、ぉ……〜〜〜〜っ はふっ はふっ んん、っく〜〜
「先生、はあ、先生 言ってくださいよ、作品のキャラみたいに、淫語 えっちな言葉 喘ぎ声も
「ひ、ぅ、んぁ……っ……っ……っ はぁ、ん……っ……っ……っ……い、く……っ


 イク、と言ったのがだめだった。大和くんが待ってましたとばかりに、おまんこをドチュドチュ どついてきて 僕はずっと我慢していた声を、とうとう抑えきれなくなってしまった

「んぉっ あっ あんっ あぁんっ あっあっあっらめ、らぇえ、りゃめええぇえええっ

 ぱんっぱんっぱんっぱんっ ぱんっぱんっぱんっぱんっ
 ぱんぱんぱんぱんっ ぱんぱんぱんぱんっ


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