※「
精一杯の素直」の続き
あれ以来、玲名は更にツンデレっぷりを酷くさせた。
僕の顔を見るだけで顔をそむけるし、声をかけたら殴られてさっさとどこかへ行ってしまう。うーん、僕なんかしたっけなあ。
思い切って聞いてみることにした。殴られること覚悟で。
「ねえ玲名、僕何かした?」
そう聞くと玲名は健康的な白さの肌を頬紅をのせたかのように桃色にした。青い髪と白い肌、そして赤い頬はすごく芸術的なバランスだ。
「……何でもない」
「何でもなくないでしょ? 風邪でも引いたの?」
僕が額と額をくっつけると、玲名は僕の頭をぶん殴った。それすらも愛しいと思えるのは、愛ゆえ、かな。
「だ、だから貴様などと手を繋ぐのは嫌だったんだ!」
あの時自分から繋ごうとしたくせに……ということは心の中に仕舞っておく。
「うん、なんで?」
玲名はまた僕の頭を殴った。
これが照れ隠しとわかっていなかったら、百年の愛も朽ち果てるだろう。
僕が笑顔で待っていると、玲名は口を開いた。
「は……」
「は?」
「恥ずかしいだけだっ」
それだけ言うと、三度目僕の頭を殴って玲名は走り去った。
あんなの、反則だと思う。
「僕の方が、照れるじゃないか……」
この時の僕は、自分の髪よりも頬の方が赤かったと思う。
2010.11.10
続きもの。
まだ少しウルグラ風味。
精一杯の告白