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それもここまではっきり言い切れるんだから、初めに思っていたよりずっと関わりが深そうだ。先生のやんちゃをしていたという話も実は本当なのかもしれない。なんて、うっかり目線を泳がせた俺に緋吉先生は微笑む。
あれ、からかわれてるのかな?深入りしない方が良いような気がしたので突っ込まないことにした。

「ありがとうございます」

「あと今回はさすがに、ご両親に連絡を入れさせていただきました」

「えっ」

思わず声を上げてしまった。平穏に過ごすと言って寮に入ったので、何を言われるか分からない。たぶん帰って来いとまではいかないだろうけれど。

「父や母はなんて……」

「それが、横で聞いていたのだけどどうやら特に反応が無かったんだよね。息子と相談して決める。とりあえず相手の名前を教えてくれ。この2点だけ」

「……教えたんですか?」

「一旦伏せさせてもらいました」

学校の方針なのか緋吉先生の判断なのかは分からない。けれどその対応はありがたいと思った。俺の両親は攻撃に対して「目には目を」、「倍返し」といった対応を取るタイプだからだ。相談すると言って、知らないところで何らかの報復をする可能性もゼロじゃない。
例えばさっきの先生の「腐って落ちれば……」っていう言葉が真実になるかも。

「後で直接連絡を取ってみて。君の判断で明かしてくれて問題ないよ」

どうしようかな。先輩には責任を取って反省してもらいたいけれど、やり過ぎにならないようにうまく調整しないと。こんなことを言うと特に両親から甘いと言われるだろうけど。





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