小ネタ集
操仁

夜空に流れる天の川(操仁編)


「今日は七夕か…」
曹操は七夕飾りを目にして呟いた。
古くからの伝統を現在に伝えるのか笹の枝に沢山の飾りと短冊を見ると思わず笑みが零れる。
幼い頃は信じてやまなかったが大人になるとそれさえも忘れてしまう。
曹操は願う事もしない、欲しいものは自分の手で得ていた。
だから七夕伝説も偽りであろうと思っていた。
彼と一緒にいる時が増えてからその伝説を信じてみたくなった。
本当に自分らしくもない。
「殿…こんな所においででしたか」
「子孝…待ってたぞ」
「本当に綺麗な星空ですな。ずっと輝きを失わない美しさに私は惹かれてしまいます…」
「子孝は七夕の伝説を信じているか?」
「ええ…大人になってもこの伝説は信じてみたくなります。一途な恋を稔らせた二人が一年に一度だけ会う事を許された日。私と殿が離れ離れになったとしても私は貴方の元に出向きます…」
「会う事が出来ないかもしれぬのにか?」
「私は貴方を愛してます。愛しい人を命を掛けて守ると誓った。愛しぬくと願ったから…」
「子孝…嬉しい事を言うな」
「殿はもし願いが叶うとしたら何を願いますか?」
「そうじゃな…儂は子孝が側におればいい。子孝を離したくはない」
「そうですか、良かった。私と殿の願いが同じで。嬉しいですぞ…」
「いつまでも儂の側でいてくれ子孝…」
「ええ、殿の願いは私の願いでもあります。ずっと貴方の側におります…」
曹仁は曹操に抱き着いた。
この温もりを失いたくはない。
この満天の星空に誓う。
ずっと一緒に生きていく事を。
「…孟徳、愛してますぞ」
「儂も子孝を愛しておるぞ…」
二人はゆっくりと唇を重ねていく。
愛しくて大切な人といる幸せを感じたのであった。






お題配布元:ALLODOLA
http://id17.fm-p.jp/313/allodola1000/

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7th.Jul.2011


 
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