「あーっ!クソ!調子狂う!」
「?!」
「お前!そう言うクヨクヨウジウジとしてる奴じゃなかっただろ!」


クシャクシャと。
頭を掻きながら、唸る倉持。

クヨクヨ、ウジウジ?
私はいつだってそうだったと思うんだけど。

そう思いながらも、倉持は続ける。


「いーじゃねーかよ!好きなら好きでよお!!」


好きなら好きでいい。
その言葉は、軽く出てきたようでとても重かった。
好きなら好きでいい。
今までの私の頑張りは何だったんだろうって言葉だ。

本当、まったく。
何で倉持もさ。
そんな言葉を言うんだろう。
思い出しちゃうじゃないか。


『いいん…じゃないですか?』
『え?』
『桐沢先輩…は、御幸先輩が好き。ただ…その事実があれば、いいんじゃないですか?』


周りなんて、関係ないです。
この言葉だって、私の背中をずっと押してくれていた。
ずっと、私を。
―――支えて、くれていたんだ。


「…けどね、私。やっぱり、御幸の隣には立てないよ」
「…」
「これからは私も日本で頑張らないといけないわけだし、私も忙しくなるからね」
「…おう」
「…もう少し、自分磨いてから考えようかな」
「!」


伝えると決めた訳じゃない。
けど。
この気持ちが、私の中で消えてない以上、受け止めるしかない。

…そうでしょ?倉持。


「ありがとう、倉持」
「は?」
「多分、このまま私この気持ちをなかったことにしてたから」
「…おう」


私は、


「御幸への気持ちは、まだ持ってることにするよ」


認める。
この中に秘めた彼への想いを。




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