「Ayaka?」
「そっ、Sorry…」
ジャックの声に、はっとした私は、ジャックとの話に戻る。
…御幸。
何でそんな表情で私を見ているの。
そして、なんで私は、その視線を逸らせなかったの。
もう、とっくに吹っ切れてたはずじゃない。
だから私は日本に帰国してきた。
…なのに。
また、ぶり返してる。
人の顔色ばかりをうかがって、自分を守るための策を考えて。
これじゃあ、またあの日々の繰り返し。
「May I hear it?(聞いてもいいかい?)」
「Is there anything wrong with you?(どうかしましたか?)」
「What kind of relations is he?(彼とはどういった関係なのかい?)」
ああ、こういうことだったんだ。
その言葉を聞いた瞬間に、私は確信する。
よかった。
英語で、みんな話がわからなくって。
おかしいとは思っていた。
だからこそ、私は御幸たちに任せて帰ろうと思ったんだ。
「It will be you, a paparazzo.(あなた、パパラッチでしょう)」
「…I say an interesting thing!(面白いことを言うね!)」
「I was convinced in one of now.What is a purpose?
(今ので確信しましたよ。何が目的ですか?)」
大方、予想は付いている。
聞くまでもない。
きっと、私の“噂”を聞きつけたパパラッチだろうから。
「…But it is precious.I am a common reporter not a paparazzo.Why did you understand it?(…でも惜しいね。僕はパパラッチじゃなく、普通の記者だよ。でも、どうして分かった?)」
「Somehow. But I do not come back to that world though I am sorry. If I want some kind of crops, not my topic, you should write his topic.
(何となくね。でも申し訳ないけれど、私はあの世界へは戻らないわよ。何かの収穫が欲しいのなら、私の話題じゃなくって、彼の話題を書いたほうがいいよ)」
私なんて、もう未来も何も期待できることなんてない。
だって、もう、一般人として暮らしていくのだから。
もう、あの華やかな世界には帰らないと決めているのだから。
その私の声色に、きっと本気だと感じ取ったのだろう。
今まで余裕の笑みで笑っていたジャック…いや、そのジャックという名前もきっと偽名なのだろう。
この記者は、本気な顔をして言う。
「…He?Did I come in pursuit of you?(…彼?僕は君を追ってきたんだよ?)」
私を追ってきて、何になるというのだろうか。
こんな、地位も名誉も何もない私を。
私はクスリとひとつ笑って、記者に言う。
「……Is it a future promising stock? Surely I play an active part in the measure sometime soon.
(将来の有望株よ?いずれはきっと、メジャーでも活躍するわ)」
「…Hmm. Then shall I be going to have the direction?(…ふーん。なら、その方向にしようかな)」
「I thank you.(感謝するわ)」
話のわかる記者でよかった。
これがパパラッチなら、あることないことをひっくるめて書かれてしまうだろう。
そうなると、御幸のことも書かれかねない。
同じ書かれるのならば、彼のためになることを。
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