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進撃×bsr

「お!エビだ!」

食事係であるエレンが、支給された食材を見て嬉しそうな声を上げる。
ともに食事係であったベルトルト、コニー、ジャンが彼の周りに群がった。
食糧難のため、いつもはパンと僅かな野菜の浮いたスープしか食べられないというのに、珍しくタンパク源が摂取できる。
そんな難しいことではなく、彼らはただ純粋にエビを食べられることが嬉しかった。

「でも、エビってどうすりゃいいんだ…?」
「頭とって殻剥いて…?」
「は、腸とかないのかな…?」
「腸も食えんじゃね?」

なんて口々に言う。
魚を捌いたことはあってもエビを捌いたことはないため、どうすればいいのかわからないのだ。
挙げ句の果てにアホな事を言い出したコニーに3人の視線が向けられ、コニーがうぐ、と息をつまらす。

「わ、分かったよ!なんか分かりそうなやつ連れてくるから待ってろ!」

そう言って調理室を飛び出していったコニーが引っ張ってきたのは。

『、エビ、ですか?』
「あぁ、捌いたことなくてさ」
「「「(ナイスコニー!!)」」」

政宗たちと共にいた彼女を引っ張ってきたらしい。
最初は不服そうな表情を浮かべていたものの、今日の夕飯が掛かっていると言われれば渋々政宗も許可を出したのだろう(腸入りのエビなんて真っ平御免だ by政宗)。
コニーの人選に内心ガッツポーズを浮かべていた彼らは、腕をまくって手を洗った彼女に倣い同じように手を洗う。

『そうですね、捌いたことがないなら仕方ありません』

一緒にやりましょう、と相変わらずの無表情でエビを一匹取ると、その頭を捻った。

『まずは頭を捻じ切ります』

4人が同様にエビを手に取り、ねじ切る。
これくらいなら問題ない、と彼女はエビの足、殻を綺麗に外していく。

「これどこまでとっていいんだ?」
『尻尾を残すならここまででいいですよ』

質問するエレンの持っているエビの、どこまで、を指さす。
その際に彼女の指とエレンの手が触れ、エレンの肩がわずかに跳ねた。
2人の恨めしそうな視線を向け、コニーは剥く感覚が楽しいのか、次々に頭と殻を外していく。
訓練兵の食事のためなのでそれなりに量は多かったが、5人でやればあっという間に終わった。

『じゃあ次に背わたを取りますね』
「背わた?」
『腸です』

包丁を手に取り、すっ、と背中に切れ込みを入れる。

『爪楊枝ありませんか?』
「あ、入ってた」

引き出しの中からベルトルトが取り出したそれを受け取り、入れた切れ込みに爪楊枝を差し入れて、楊枝の先端に引っ掛けるようにして細長い何かを引っ張りだす。
魚の腸よりもずっと小さくめんどくさそうなその作業に顔をしかめたコニーが口を開く。

「そんぐらい小さかったら変わんなくね?」
『腸は取らないと臭いですよ。この黒いの分かります?』

ほら、と彼女は取り出したそれを楊枝に引っ掛けたままコニーに見せる。
白っぽい細長いものの中に、黒っぽい何かが入っている。
?、と首を傾げるコニーに、彼女はそれを水の中に沈めた。

『糞ですよ。食べたくないでしょう』
「ゲェッ!!まじかよ!?」
『だから政宗も言ったじゃないですか、「腸は絶対取れ」って』
「あれはそういう意味だったんだな…」

同じように包丁を手に取るコニー。
彼らの会話を聞いていた3人も、どんなに時間が掛かっても全部取ろうと決意した。

「料理うまいんだね、」

エレンに引きずられ、彼の隣で作業をしていた彼女に話しかけたベルトルト。
向こうでは包丁を入れすぎたコニーにジャンの怒号が飛んでいた。

『ある程度のことはできます。料理は政宗の舌が肥えてるから』
「え、もしかしてあいつの飯、お前が作ってたのか!?」
『もちろん。他の人には任せられません』

昔の毒殺未遂のこともあり、彼女や小十郎の食事しか食べなくなった政宗。
忍は人並み以上のことはできるように仕込まれているが、政宗の舌の肥えは尋常では無いため、自然と彼女の料理スキルもアップする。
なんとも無いような表情で言い、次々に海老の背わたを取り続ける。
同時刻、政宗の背筋に悪寒が走ったのは言うまでもない。


***
昨日はエビフライだったので…
あとジャンが空気ですみません

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21st.Jul.2013


 
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