もう一つの龍神伝説 | ナノ
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 二人の姫3


「――で。レイはいいのか? 挨拶にいかなくて」

「お昼寝優先に決まってる。どうせヨナの誕生日までには顔合わせるし、問題ない」

「そーかい」

そう言って、今度こそ背を向けて歩き出した。

後ろからギンもついてくる。

「今日はどこで日向ぼっこしよう……?」

お昼寝じゃないのかって? 結果はどっちも同じだ。

人通りがなくて日が照って暖かくて静かな回廊を見つけ、躊躇いもなく寝転がって丸くなる。

寝そべったギンに抱きつくようにして眠るのが気持ちいいのだ。

(イル陛下は好きじゃない……。優しさと甘さの区別のつかない王様だから……)

サラは、あの王様のことを話すとき、いつも悲しそうに笑っていた。

高華国を旅した。そこで、見てきたものがある。

だからと言って、嫌いでもないけど。

だけど、ヨナに姉上と呼ばれると少し嫌だと思うのだ。

私はあの王様の娘には、なりたくない。

「む……ギン、大丈夫だよ」

レイの心を察してか、頭をもたげ、鼻を頬に擦り寄せるギンに微かに微笑んだ。

「……ねむいね、ギン。……おやす……み…………」

ウトウトとしながら、それだけ呟いて、直前までの思考などなかったかのように、今度こそ幸せそうに夢の中に旅だった。

やっぱり、日向でお昼寝、気持ちいい……。




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