「お帰りなさいへーわさん!!ご飯にする?お風呂にする?それとも、」
「なんで手前がいんだよ」
「あいたっ!いいじゃないですか〜一人だと寂しくないですか?」
「五月蝿いよりはマシだ」
「あは、へーわさんって寂しい〜」
そう言ってけらけら笑うと、へーわさんは俯いた。ヤバい、ヤバい、ちょっとからかいすぎた?
「寂しいなら、ずっと居ていい」
「え?」
「俺も一人で寂しいと思ったことがあるから分かる。だから、まあ、俺ん家でよけりゃ居てもいい」
「へーわさ、ん……」
よく分からない感情がぐちゃぐちゃになって、まぜこぜになって、言葉が喉につっかえる。
いつものように軽口を叩こうとするけれど、出てくるのは涙と呻き声だけだった。
「ゔ〜〜っ…。へーわさん、ずるい゙」
「ああ゙?何泣いて、うお!?」
「ううう……。もうずっと居ますぅ゙…!」
「……ん」
ぎゅうぎゅうとへーわさんに抱きつけば、よしよしと頭を撫でられた。思えば、初対面の時、切りかかったんだよなあ。
「なんで、へーわさんは…こんな私に居ていいって……」
「なんというか、アレだ。昔の自分に似てるんだよ、お前」
「へーわさんの昔…?ぷぷ」
「テメエ笑ったな…?」
「笑ってな、いててて!!痛いです!」
「ずっと居たいなら余計なことは言うな」
ぐに、と頬を引っ張られて「りょーはいっふ」と敬礼した。満足したのかへーわさんは、無言でまた頭を撫でた。…へーわさんって頭フェチなのかな。
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