金髪白パーカー、もとい紀田くんのせいでるんるんな気分が台無しである。非常に遺憾である。
「あ、返さなきゃ」
いざやさん愛用のファーコート。ちなみにいい匂いがぷんぷんしてて、ちょっと私の匂いが移ってたら嫌だな…。クリーニングに出した方がいいよね、うん。
そうと決まれば早めの行動。走れ、タマ!いざ我が城へ行かん!
「って、なんでへーわさんがいるんすか」
家の近くにへーわさんがいた。こっちは危険な金髪だ!もう、早く死んでくれないかなぁ?
「おい、手前ノミ蟲を見なかったか」
「いざやさんをノミ蟲呼ばわりする失礼な輩には言いませーん」
「手前はどんだけ俺を怒らせてえんだ?あ?」
「ちょっ、いたっ!痛いって!頭掴まないでください!!」
うわ、顔近いって。ああこんなイケメンが近くても私は赤面しないよ。いざやさんなら真っ赤なタコになるけどーHAHAHAHA!
「ていうか、私はこんな茶番に付き合ってる暇はないんですぅー」
「ハッ、誰が帰すかよ」
「……ふぅ、分かりました。タマちゃん観念しましたよ」
「なんかうぜえ」
「いたあ!?ちょっとマジでやめてください!!」「うっせえ、早く言え!」
「ちょっと耳を貸してください」
眉にシワを寄せながらも、しゃがみこむへーわさん。なんだか罪悪感でいっぱいだけど、仕方ないよねー!生きるためには。
「誰が言うかよバーカ!!!」
人生で一番大きな声を出した。二番目はまだないかなあ。怯んだ隙にマッハのスピードでバク転して逃げる!
[ 11/54 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る