金髪白パーカー、もとい紀田くんのせいでるんるんな気分が台無しである。非常に遺憾である。


「あ、返さなきゃ」


いざやさん愛用のファーコート。ちなみにいい匂いがぷんぷんしてて、ちょっと私の匂いが移ってたら嫌だな…。クリーニングに出した方がいいよね、うん。

そうと決まれば早めの行動。走れ、タマ!いざ我が城へ行かん!


「って、なんでへーわさんがいるんすか」


家の近くにへーわさんがいた。こっちは危険な金髪だ!もう、早く死んでくれないかなぁ?


「おい、手前ノミ蟲を見なかったか」

「いざやさんをノミ蟲呼ばわりする失礼な輩には言いませーん」

「手前はどんだけ俺を怒らせてえんだ?あ?」

「ちょっ、いたっ!痛いって!頭掴まないでください!!」


うわ、顔近いって。ああこんなイケメンが近くても私は赤面しないよ。いざやさんなら真っ赤なタコになるけどーHAHAHAHA!


「ていうか、私はこんな茶番に付き合ってる暇はないんですぅー」

「ハッ、誰が帰すかよ」

「……ふぅ、分かりました。タマちゃん観念しましたよ」

「なんかうぜえ」

「いたあ!?ちょっとマジでやめてください!!」「うっせえ、早く言え!」

「ちょっと耳を貸してください」


眉にシワを寄せながらも、しゃがみこむへーわさん。なんだか罪悪感でいっぱいだけど、仕方ないよねー!生きるためには。


「誰が言うかよバーカ!!!」


人生で一番大きな声を出した。二番目はまだないかなあ。怯んだ隙にマッハのスピードでバク転して逃げる!


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