正臣君達とお昼休みを過ごすようになってから1週間後、私は久しぶりに池袋をうろつくことにした。

特に用はない!あーでも、出かける前に静雄が「黒いファーコートの奴を見かけたら速攻逃げろ」と何度も言った。

黒いファーコートの奴って、あのファーコートの持ち主かな?もしそうなら、返してあげなきゃいけないんじゃないかなー?

ま、しずおは何も言わないし、私のものにしちゃおっかなー☆


「久しぶり、タマちゃん!」


なんか金髪の男と黒髪の女に話しかけられた。えーっと、誰だろう?でも、久しぶりって言われてるんだから、知り合いなんだよね…?


「お、お久しぶりです!」

「……タマちゃん、何かあった?」

「何か…別人の様な感じがするっスねえ」


黒髪で綺麗な女が気づいた。それを聞いて、糸目の男も気づいたらしく、怪しげにじっと見てくる。


「そ、そうですかー?」

「んー…前は天涯孤独で、ただイザイザを盲信しているちょっとイタイ子だったのに、今は汚れを知らないような純真無垢な感じ?」

「例えるならば王道美少女ヒロインってことっスよ!!」

「て、天涯孤独…?ヒロイン…?」

ちんぷんかんぷん。このひとたち、日本語しゃべってんの?それとも異国語?

全然話についていけない私を置いて、目の前の男女は更に高度な言葉を使ってよく分からない論争をし始めた。


「おい、猫柳が困ってるだろ」

「うお、門田さん!」

「ドタチン!降りてきたの?」

「お前らが戻ってくるのが遅かったから迎えに来たんだよ」


や、やばい……。更に知らないひとが増えた。

[ 41/54 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

戻る


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -